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2005.03.27

【芝居】「海辺のお話」自転車キンクリートSTORE

2005.3.26 19:00

自転車キンクリートストアの最新作。海岸で会話する夫婦のところに現れた、若く奇妙なもう一人の夫婦のかみ合わないようなかみ合うような話。27日昼まで、六本木俳優座劇場。

エドワード・オールビーって劇作家は、あたしにとっては少々難物なのです。「動物園物語」や「幸せの背比べ」のように繰り返し上演されていれば、言葉も解釈も世間に溢れているのかもしれませんが、あまり多く上演 されているものではない本作で、しかもじてキンの今までの作品から見るとやはり観客が期待するモノとは少々 ずれていて、とまどう客席なのです。(ずれてること自体は、悪いことじゃないのですが)

台詞の中身も言葉そのものも少々観念的なものが多く、話し言葉として耳で聞いて一度で理解するのは、あたしにとっては難しいのです。一緒に観た友人が言うように、落ち着いて文字で読みたいなと思いますが、それでも慣れない故に少々手こずりそうな気がします。(早川書房、全集(3)。原文はさらにきついだろうなぁ(^^;;) Seascape)

子供も育ち、仕事もリタイアしようとする目前の夫婦。ささいなことで口論したり前のことや、これからのことを まとまりなく話している海辺のピクニック。そこに現れた若く奇妙なもう一組の夫婦。若いだけではなくて、 概念や知識があまりに異なる彼らと会話をするうちに..

最初の会話は、落ち着いて聞いていたらきっと面白い内容なのだろうと思います。でも、静かで言葉が堅いためにここであたしの緊張感を維持するのが難しいのです。エドワードオールビー節なのだろうと思いますが、この 部分でじてキン節の、身の丈の言葉で観たいのです。

中盤現れる若い夫婦は、当たり前だと思っている多くの概念や言葉が 理解できないという立場に、歳を重ねた夫婦を放り込むのです。それを四苦八苦して説明するうち、自分自身が当たり前だと思って いたことが揺らいでくるように感じます。あの若い夫婦のポジションはそれゆえに、あの姿でなければいけないの だなと思います。

芝居遊歴控さんによれば、公演タイトルのロゴに、パブリからは隠されているちょっとした秘密が。おお。

次回のじてキンはテレンス・ラティガン3作連続公演なんだといいます。演出を坂手洋二さん、鈴木裕美さん、マキノノゾミさんの3人で、という企画。でもテキストが飯島早苗さんでなく、演出が鈴木裕美さんでないものは、果たして自転車キンクリートの公演といえるのかどうかなぁ。

自転車キンクリートSTORE「海辺のお話」
2005.3.15 - 3.27 六本木 俳優座劇場
作 エドワード・オールビー   訳 鳴海四郎    演出 鈴木裕美
出演 木内みどり 花王おさむ 小松和重 歌川椎子

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