【芝居】「御前会議」青年団
2005.3.19 15:00
青年団の中では割と異色な爆笑短編の流れをくむ新作。日本人の意思決定プロセスを漫画的に描くのだけど残るもやもや。80分、30日までこまばアゴラ劇場(「ヤルタ会談」と交互上演)。
「忠臣蔵OL編」が「(なんだかんだ言っても)決めるプロセス」の話だとすると、本作は「いかに決めずに先送りさせるか」のプロセス。自分も含めて、意図的・結果的を問わず、こうなってしまうことの多いことよ。(だめじゃん) 「保留」という名前の先送りする間に問題は山積しやがて完全に手に負えない問題に。なってしまうのです。話題は他愛ないと思われるものから始まってあちこち飛びます。やがて出てくる難問は漫画的ではありますが、それぐらい手に負えないと思われる問題が出てきたときに、それを乗り越えようとする努力をするのか、しないのか。あたしにはその気力や能力があるだろうか、と思っちゃうのです。
駐輪場を飛行場と置き換えたり、さまざまに見え隠れする作者の強い意志。偏ってるっちゃあ偏ってる。そこに同意できない人も居るでしょう。
かなりあからさまではありますが、休憩の後から見え隠れする60年前の過去に行われたであろう議論(と、観客だけは知ってるその先の悲惨。慎重だったはずのメンバーまで、わけのわからない結論に巻き込まれていく過程の怖さ。それなのに対処できないほどの大きな問題になった時の、無力さというよりは滑稽さ。笑いにあふれる舞台です。でも、ほんとに恐い一本なのです。
青年団春の団祭り2005「御前会議」
2005.3.17 - 3.30 こまばアゴラ劇場
作・演出 平田オリザ
出演 兵藤公美 島田曜蔵 太田宏 申瑞季 奥田洋平 鈴木智香子 井上三奈子 山田(五反田団)
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コメント
こんばんは。HIDEと申します。御前会議面白かったですネ。議題はすごく抽象的なのに、会議でよくあるシチュエーション、ナイスでした。
投稿: hide3190ymo | 2005.03.21 20:42
hideさん、コメントありがとうございます。
大爆笑編というのとは少し違う気もしますが、盛り込まれていることそれぞれが、世間で起きてることの暗喩になってて、実にエキサイティングだったなぁと思います。
会議のシチュエーションとしても、ありがち、な世界で、楽しいですよね。
投稿: かわひ_ | 2005.03.26 02:21
デジログからあなろぐの吉俊と申します。
トラックバックを何故か2回送ってしまっていたようです。
もうしわけありません。
片方削除していただいて構いませんのでお手数ですがよろしくお願いします。
「いかに決めずに先送りさせるか」のプロセスというのは面白いなぁと思いました。
会議、特に偉い人達の会議というのは往々にしてこういうものという気がしています。
もっと早く決められないものでしょうか?・・・とテレビを見ていていつも思いますし・・・。
投稿: 吉俊 | 2005.03.28 17:24
吉俊さん、コメントありがとうございます。
そうなんですよねぇ。あたしも時々二回も三回も送ってしまうこと、ままあります。
偉い人ほど、先送りしますよねぇ。だんだん自分で先送りしてることを感じて唖然とすることあります。明日の朝ご飯の準備とか。(←ちょっと違う(
投稿: かわひ_ | 2005.03.29 02:12