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2005.03.13

【芝居】「お父さんの恋」サードステージ+パルコ

2005.3.12 19:00

ビューティフルサンデイなどで人気のタッグ、中谷まゆみ作、板垣恭一演出。前田吟、堺雅人などテレビでも人気の役者たちで。27日までパルコ劇場。その後福岡、山口、松本、新潟、大阪、名古屋、仙台。東京の当日券は電話予約のみ。約3h30, 休憩15分。

広い家、日が差し込むリビングにベッド、横たわる男、介護する女、やがて子供たち。父を囲むうち久しぶりの家族たちの現在や過去や想いがあぶり出されるのです。

比較的多い登場人物を丁寧に描くあまり長めの上演時間。あまりにファンタジーに過ぎるとも思います。family taleっていうサブタイトルはそのことを端的に表すいい言葉。

物語のそこら中に、はずされたピースを散りばめて、家族の姿や想いが徐々にパズルのようにはまっていきます。ピースとなるものの前半での提示の仕方があからさまだし、すくなくとも途中までは物語の解釈を観客の側にゆだねさせない強固さを感じます。

家族たちと、介護の女。二者の立場の対立はやがて、家族の姿を浮き彫りにしていきます。家族に対してヘルパーの立場を超えた主張や非難が強すぎると感じるところが何カ所かあります。話を先に進めるためにそうするざるを得ないのだろうと思いますが、中谷+板垣コンピにしては珍しいと思ってしまうのです。

終盤に向かって、家族のピースはぴったりはまって行くのですが、終盤ヘルパーのポジションの違和感があります。悪意の有無や、最後の退場のときに、彼女は何を感じていたのかがどうとでも解釈できるのが、ちょっと不安定な感じ。そこまでは強固だった物語の作りなのに、パズルのピースが最後に一個余ってしまったような、行き場のないもやもや。

それでも、水準にはもちろん達していて、楽しめる一本です。前田吟という、どちらかというと小劇場系ではない役者をそのままのキャラクタで生かすように、しかも余分な動きをさせないように物語を作ったのが勝因の一つではないかとも思います。

パルコ劇場サードステージ「お父さんの恋」
2005.3.10 - 3.27 渋谷 PARCO劇場
2005.3.30 - 3.31  福岡 ももちパレス
2005.4.2 - 4.3 山口 山口情報芸術センター スタジオA
2005.4.6 松本 まつもと市民芸術館
2005.4.8 新潟 新潟市民芸術文化会館 劇場
2005.4.10 仙台 イズミティ21 大ホール
2005.4.13 名古屋 名古屋市民会館 中ホール
2005.4.15 - 4.17 大阪 シアタードラマシティ (4.15 追加公演) 作 中谷まゆみ  演出 板垣恭一
出演 堺雅人 星野真里 七瀬なつみ 菊池麻衣子 池田成志 前田 吟

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