【芝居】「フルオーケストラ」アグリーダックリング
2005.2.13 17:00
関西の劇団、アグリーダックリングは、東京公演を年1回弱のペースで続けていて(2002.11「眠りの切り札」、2003.11「アドウェントゥーラ」)、今年が3回目。あれ、皆勤じゃん>あたし。公演は終了。
(1)世界を縫い合わせて復元しようとする男、(2)罪を犯した少女と少年の見た世界、(3)少女の数年後と思わしき、ドレミという女と流れ者。(1)がおそらく現在でそこから復元される(3)の時代、(2)が最も昔で、首をしめることでかいま見える(3)の世界。幾重にも重なる時間。(2)の世界で罪を犯した者たちが積み上げる塔はやがて人々の世界の真下に近づいていくのです。
正直、あたしにとってはとても難解です。断片断片は面白いし、とてもいろんなことを考えて盛り込んでいるのだと思われます。また、ファンタジーの見た目、言葉遊びも織り込んでいるなど、芝居を形作るものは相当な作り込みがされているようで、安定していて不安感はありません。反面、あまりの情報、いろんなことを有機的につなぎ合わせていくなかで、その考えの流れの飛躍が大きく、へとへとになりながら、でもついていけなくなる、という感じがします。眠くなるところもあるけれど、不思議と不快感はなくて、また見てしまおうという気になるのです。
CLACLA日記さんの評、読み応えがあって、読ませて頂きました。なぜ「ラ」の音に拘るのか、音楽ダメなあたしはよくわからなかったのですが、「人の基音」なのだそう。人が生まれ落ちる時の泣き声やさまざまな声を音階の「ラ」とたとえていたのはそういうことなのですね。
毎日新聞系のクリッピングによれば、少女の犯罪と償い、という現代社会のテーマをすくい取って、全く別の劇世界に投影してみせているのだそう。ああ、たしかにそのとおり。
客演、板倉チヒロさんはこの難解な世界でしっかりと立ち位置。出口弥生さんの身のこなしがちょっとすてき。
劇団webからの申し込みでもらえるイラスト付きカレンダー。ちょっと嬉しい。小さな劇団ほど、こんなすてきなプレゼントを使ったりして、なるべくチケット業者に頼らないでやってほしいなぁと切に願います。(やる側は大変でしょうが)
アグリーダックリング「フルオーケストラ」
2004.10.30 - 11.4 大阪 HEPホール
2005.2.12 - 2.13 東京芸術劇場小ホール1
作 樋口美友喜 演出 池田祐佳理
出演 出口弥生 中村隆一郎 吉川貴子 早川丈二 山下平祐 村上桜 上田泰三(MousePiece-ree) 板倉チヒロ(クロムモリブデン) 樋口美友喜 池田祐佳理
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コメント
あの出口弥生さんのイラストカレンダー、わたしも冷蔵庫に貼りました。今月は木曜日から金曜日に日付が変わる時毎週ジャンプするんですね。
しかしあの公演観てから別のに走ったってのはまねできませんわ。わたしは土曜の夜観ましたが、日曜の朝「東西屋」その他にうなされてしまいました(^^;。
投稿: あれ | 2005.02.14 13:21
はじめまして☆
この前、大阪であった公演で私も初めてアグリー見ました。脚本家の意図をすべてつかむのは、なかなか難しいですよね。
ここの山下平祐くんが現在急成長中らしく、現代演劇祭にも出るらしいです!!
また、応援してあげてください♪
投稿: ころりん | 2005.03.14 09:55