【芝居】「サラミの会」ピンズ・ログ
2005.1.23 14:00
移転間近のキャンパスの部室。映研サークルの部室を舞台に現役部員とOB達、これから自分達は何をしてくんだろう、という時期を丁寧に描いた一本。面白かったっす。24日までウエストエンドスタジオ。
カメラ持つことの力と怖さをしっかりと自覚、現役とOBの二重構造をとりながら、それぞれ気持ちを実に細やかに描くのです。人に誇示したい欲求、それに負けてしまったOBたちのわだかまり。現役たちは自分の行く末それぞれに不安だったり、その鬱屈がカメラを使って「力を自覚しないで振り回す」ことを引き起こすのです。
多少の誇張あれど、人物が何故そこに止まり、何故気持ちが動くかなどの感情に無理がないのが凄いのです。例えば本筋とは何の関係もないけど初対面の現役とOBがキットカットの受渡し一つで距離がぐっと近くなるとか。巧いなぁ。
映研とOBと学生たち、というシチュエーションでは、ナイロン100℃の「カメラ≠万年筆」のような名作があるわけですが、基本的なスタンスは変わらない感じがするものの、自分の先行きに対する不安な感じは若い(と思うのだけど)本作の作家の方が、より瑞々しいのです。
カメラ持つ少女、和田好美さんが静かな視点。でも飲み会シーンとかでのちょっとお茶目がかわいらしい。森川佳紀さん、立花幸博さんの誠実な感じもちょっといい。
ピンズ・ログ「サラミの会」
2005.1.21 - 1.24 ウエストエンドスタジオ
作・演出 平林亜季子
出演 小山亜由子 佐川大輔(theatre moments) 桜井稔 迫田圭司(アーバンフォレスト) 鈴木雄一郎 高橋一路(feel & move) 滝寛式(はえぎわ) 立花幸博(いとちちファイブ!) 寺田未来 正岡拓野(劇団ひまわり) 松岡規子 森川佳紀(サニーサイドウォーカー) 森本真由美(インターメディアエンタテインメント) 和田好美
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