【芝居】「おやつの時間堂」時間堂

2004.12.10 20:00

時間堂、今年最後は、おやつ公演と題して。三軒茶屋某所、予約者のみに知らされるカフェのような場所で。三茶では有り得ない景色の見晴らしのいい場所。場所にだけ払ってもあまりあるのです。10分ぐらいの小品をとりまぜたお品書きから選ぶのだけど、まあ玉石混淆、イベントとして楽しむべし。

決して狭い場所ではありあません。それでも死角ばかりなので、恥ずかしがらずに果敢に移動しながら見ることを強くオススメ。飲み物を片手に。芝居の客じゃない通常の飲食の客もそのまま。稽古場のお裾分けのような体裁。芝居としては声が聞こえないとか見えないとかの問題がないわけではないのですが、ゆるい空気を合わせて楽しい空間なのです。

ボーナストラックほか数本見られなかったけど、ほぼ網羅。順不同。きゃあきゃあ言うオンナノコたちに取り囲まれる「モテモテ☆HIDEKI」、占い師のところに相談に訪れるいろいろな「ラブボブテン」、男女言葉少なにでもどきどきする空気「二人でおべんとう」(作/三谷麻里子)、トイレで会話する女ふたり太刀打ちできない子供と大人か「トイレに気をつけて」、カラダがきつくてやめようと思う「トナカイの憂鬱」、「手品が見たい」、女３人だけでほんの一部分を「超断片、三人姉妹」、告白できないオンナノコとくっつけるオンナノコのバックステージな会話「屋上の中心で愛を叫ぶ」、壁を隔てる女ふたりが結婚前にとんでもないことを「カベのむこうのスズキさん」。

「愛を叫ぶ」結末は、告白できないオンナノコのハッピーバースデイ、は女優稲村さんの本当の誕生日で初日のみの特別版なのだとか。観客を巻き込んでのお祝いってのは、ちょっと嬉しい

「二人でおべんとう」はつめきり公演の戯曲。演出は細かく違っていますが、静かでほんのり暖かいのに微妙な駆け引きの若さがうらやましく、たのしく。

女優多めのキャスティング。その中で大塚秀記さんの異物感が確かな力。篠本美帆さんは自分の劇団では人間の役やったことないそうなのだけど、可愛らしい役。両角葉さんは細切れの舞台であっという間にテンションを上げる。

時間堂「おやつの時間堂」
2004.12.10 - 2005.12.13 三軒茶屋　某所
構成・演出　黒澤世莉
出演　稲村裕子　大塚秀記(つよしとひでき(trf))　沖直子　キムラマナコ　篠本美帆(チーム下剋上)　永山玉水　根津茂尚　福島千陽　三谷麻里子　両角葉