【芝居】「嗚呼、お前もか」宝船
2004.12.9 19:30
オッホやハイレグを経た女優、新井友香さんの劇団。作演は人魚の話を描いた「ミンシン」(99年)なんてのもあります。今作、破綻なく世界を作ってるのです。木曜は結構な混雑でした。たいしたものです。12日まで劇小劇場。
正直なはなし、冒頭の映像は少し長いと思います。たしかに必要なスリコミです。新井友香さんの体験かどうかはわかりませんが、見た目のわりには実はかなり悲惨な状況が数々。色っぽかったり、女優それぞれに華があったりするわりには、男はステロタイプで薄い感じがしないでもありません。
意識してかどうか、声に力のある女優たちがそろっています。高木さんの声の落差、大人の微妙な色香の野村さん、か細くでも目に力のある葛木さん、色気やりたい放題ですがしっかりと、加藤さん。もちろん新井さんの感じもちょっといいなぁ。永井さんの役、沸点の低さが前半のポイントなのだけど、巧い。
以下ねたばれ
前世を信じるかどうか、その相手が父親ならどうかという娘の心は揺れます。母親のアバンチュールは別の軸ですが、もう少し娘との関係が膨らめば全体の奥行きが増すなぁとも思います。
最初に提示される世界、関係のまま終幕だと思っていたら、最後の娘の台詞は、この世界のとらわれに見えて、しっかりと巣立っていく。未来を感じさせます。
宝船 旗揚げ公演「嗚呼、お前もか..」
2004.12.7 - 12.12 「劇」小劇場
作・演出 新井友香
出演 高木珠里(ドーナツもぐもぐクラブ) 永井秀樹(青年団) 野村朋子 加藤雅人(ラブリーヨーヨー) 多田淳之介)東京デスロック/動物電気) 葛木英(メタリック農家) 山田伊久磨(エッヘ) 山形涼士(uppercut) 加藤直美(ベターポーズ) 新井友香
日替わりゲスト: 加藤啓(拙者ムニエル)
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コメント
動物占いではコアラのおくむらです。
ほんまスンマセンって感じです。
『ロミジュリ』にはじまって『エレクトラ(コンプレックス)』に終わる物語、てなとこでしょうか。
やはりコンプレックス抱えまくりだった『ミンシン』は、ちと大風呂敷ひろげすぎたような印象でしたが、こちらはシュールになりすぎずコンパクト。
ただ、ご指摘のように、中心となる母・娘・父に比べ、その他の人物たちは都合よく描かれすぎかという気はしました、わたしも。
ドアタマの映像は、長いかどうかってことより、こんなにネタバレしていいのかって感じでした。
で、葛木女王、どーよ。
序盤と中盤にくらべ、終盤ではずいぶん「普通にかわいいオンナ」になっちゃってましたが。
ラスト、先輩とのシーンで「………と思ってるよっ」の2連発。この「よっ」×2で、溶けました、わたくし。めんぼくない。
投稿: おくむら | 2004.12.10 14:12
(葛木さんトーク・オンリーです)
呼び名は女王様なんですね、まあ、なんとなくわかる気も。
ミニスカートの脚、少々むくみ気味なところが「たまらんっ」でした。
首が細くて長いのは、女優としてgoodですね。おくむらさんが惚れたのは、作・演の才能の方なのかもしれませんが、ミテクレが良いに越したことはありません。
反論があるのは覚悟で言ってみますが、三浦和義が再婚した良枝さん(でしたっけ?フルハムロード共同経営?みたいな人)に、少し雰囲気が似ています。
後半、つまんない女(と敢えて言わせていただきますが)になっちゃったのは、そういう役柄なので、女王様のせいではないですね。未見のメタリック農家も、次回はぜひ観てみたいと思いましたが、4月なんですねえ。忘れちゃいそう。
投稿: 熊上 | 2004.12.11 23:35