【芝居】「走れメルス」NODA MAP
2004.12.4 19:00
遊眠社は一本もみていないのです。DVD BOX買おうかどうしようか迷うロビー。というわけで初めて触れる、七演目の「走れメルス」。まだまだ始まったばかり、2ヶ月の長丁場、20歳の野田戯曲を演じる(決して若者ばかりではない)役者たち、LHA圧縮したような言葉の洪水。ただただ圧倒される舞台はあのころの芝居をそのままゴージャスにしたのだといいます。すごいことです。来年1月30日まで、コクーン。
一回では、ちょっと厳しいのです。それは決して話がわかりにくいからではないと思うのです。役者の発声には問題がないとは言いませんが、あんなスピードで喋るなんてことは普通あり得ません。ゆっくりならば通る声でも、あのスピードではありえないでしょう。そこは役者への同情の余地もあります。それでも、この洪水の「音」に身をゆだねるだけでも、気持ちのいい110分。オススメしても、ねぇ、取れないチケットだものなぁ。
戯曲も買い込んでゆっくり味わいますが、今日の処は断片で。■マスメディアを鏡として使う姿があろうとは、初演のころではスターにしかあり得なかったそんな姿、今になってみたら、誰もがあり得る時代に。■集積回路工場(集積回路って言葉自体懐かしいけど)というのが何を意味しているのかなぁ。日本の産業(だった)ってことかなぁ。■平凡と明星。当然若者にはわからない。戯曲にはそのまま書いてあるけど舞台では、「それが何かわからない」という一層を重ねてるのが鋭い。■あいつらが食ってるのは酢豚。古田新太の「パイナップルを残すな」というのはあれですか、「酢豚にパイナップルを入れるなぁ」のベターハーフ(←意味不明)ですか。■池谷のぶえ+峯村リエ+濱田マリっていいなぁ。アタシにとってのグランドスラム感。
客席に早めにはいって、あのころの歌が楽しい。沖田浩之だよー、近藤真彦だよー。で勝手に盛り上がったりするあたしです。
初日に感想を書いている方、けっこう居らっしゃるのです。優さん、、舞さん。強者の方々。トラックバックくださったぶるぶる さんさんも素早い..しかもみなさん、数回観劇前提で書いてらっしゃる。いや、あたしも人のことは言えないのですが。
NODA MAP「走れメルス~少女の唇からはダイナマイト!」
2004.12.3 - 2005.1.30 シアターコクーン
作・演出 野田秀樹 出演 小西真奈美 深津絵里 中村勘太郎 河原雅彦 古田新太 小松和重 浅野和之 松村武 腹筋善之介 六角慎司 櫻井章喜 峯村リエ 濱田マリ 池谷のぶえ 野田秀樹
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コメント
こんばんは。TBありがとうございました。
ツワモノなんてとんでもないです。ひたすら「ぼーっとしていた」だけのつまらない感想です。
開演前のナツメロ、密かに盛り上がりますよね。唄ってしまいたいですよね。…そうでもないですか?隣りに友達が居たらうわーって笑ってしまうのでしょうけど、観劇はほとんど一人で行くので、静かにニヤリとしていました。
これから楽日まで、少しずつ作品を理解しつつジワジワと感想を書いていきたいと思います。
投稿: 優 | 2004.12.06 02:28
優さん、コメントありがとうございました。(サイト名そのままお名前にしてて失礼しました。こっそり修正)
いえいえ。初日からはじまって、素早いレポート。そして複数観劇(人のこと言えないけど)。ツワモノさま、ですはい。;-)
懐メロはねぇ、あたしてきには中学生ぐらいのナンバーなんですね。「E気持ち」とか、最近かかりにくいのが混じっててなかなか。
投稿: かわひ_ | 2004.12.06 21:13
客入れの音楽は、懐かしいのばっかりでしたね。
というか芝居の中でかかっていたのもですが。
私にはわからない懐メロもありましたが。
何しろもう圧倒的ぶっちぎりという感じがしました。
繰り返し観るのは、なんか申し訳ない気持ちもあります。
一回も観れないという方もいるだろうし。
でもどーしても観たい気持ちが勝つんですねえ。。(^^;;
投稿: 舞 | 2004.12.07 00:03
はじめまして。
今日「走れメルス」を観て来たので
いろんな人の感想や解釈を見たいなと思い
一番最初にたどり着きました。
前回「透明人間の蒸気」を観たのですが
それより遥かに難解に感じて…
明日から戯曲読み込まねばという感じです。
初演の頃は、というか第5回目くらいまで
私はまだ生まれてないのですが平凡と明星分かりますよー(笑)
TBさせて頂きました!
投稿: みなみ | 2004.12.15 01:50
舞さん、コメントありがとうございました。
そうそう、何回も見たくなっちゃうんですよねぇ。なんとかチケットを手に入れることが出来るようになってからは、確かに複数回見てるような気がします。NODA MAPは、そういう芝居の見方をする数少ない芝居です。
みなみさん、コメント&トラックバックありがとうございます。
パワフルなblogですね、芝居だけじゃなくていろいろあって。
....う、生まれてないって...(遠い目) (^^;;)
投稿: かわひ_ | 2004.12.17 07:56
客入れのときに歌謡曲を流すのは、遊眠社時代の定番だったので、「懐かし~」と感じました。
残念ながら、終演のときにかかるテーマ曲?(DVDでもエンドロールのところに収録されている曲:未だに曲名知らず)は流れませんでしたが・・・。
「集積回路工場」は、舞台上にも置いてあった「テレビ」のことだと思いますよ。
スルメが芙蓉を殺してしまうシーンや、モンシロチョウ、昆虫採集、カブトムシ、あちら側とこちら側・・・などというキーワードを聞くと、遊眠社の「赤穂浪士」と作風における類似性/同時代性を強く感じました。
ようやくNODAMAPでも遊眠社作品解禁ですかね。ちょっと嬉しかったりします。
投稿: sophist | 2004.12.18 04:07
sophistさん、コメントありがとうございます。
遊眠社は一本も観られなかったのです。あのころの芝居だ〜、っていう感想をあちこちで聞きますので、きっと懐かしさを感じるのですね。決してワカリヤスイ芝居ではないので、これ、繰り返し観ないとなぁ、でもNODA MAPはチケット争奪戦厳しいよなぁ。
集積回路工場って言葉がなんでこんなに違和感があるかと思ったら普通は言わないんですね、そうは。今の時代なら「半導体工場」でも、これだとテレビって感じではないですね。初演では「セメント工場」だった、という話をどこかで聞きました。
投稿: かわひ_ | 2004.12.21 02:15
「半導体工場」・・・パンフレットで、「ネットの世界」との類似性について、野田さんが語っているのを読むと、それもアリかもしれませんね。
鏡との関係性から、幻想/虚像(リアルに見えてリアルではないもの)を映し出すもの、その一例としてのテレビ、と考えましたが、初演がセメント工場だったとすれば、日本の発展とともに現在の世の中にはびこったもの/世の中を覆いつくしたもの(経済発展の代償?)のメタファーなのかもしれません。
投稿: sophist | 2004.12.25 01:51