【芝居】「SKIP」キャラメルボックス
2004.11.23 19:00
2004年最後のキャラメルは、劇団では初だという「原作そのまま(カットと一部のギャグのみの変更)」、北村薫のSKIP。25日までサンシャイン劇場。17歳の心と42歳の入れ物、読んでないけど一人称で書かれた原作を、これまたえらくシンプルな舞台で。キャラメル的と世間で思われてるものよりは随分抑えた演出や音楽、成井真柴のどちらとも違う言葉の選び方に戸惑うかもしれませんが、軽快さと不思議で柔らかな手触り、ジュブナイル全開な感じ、確かにキャラメル。 にしても、42歳の「入れ物」を魅力的に演じられ、高校生もちゃんと演じる層の厚さは20周年目前のチカラかと思うのです。
25年って歳月は、長寿アニメの声優交代がニュースになるぐらいの、長い長い時間。語られている他愛ない会話の落差、女子高生のスカートの丈、言葉の端々。ましてや青春の入り口からあとの25年。そこが一番大切な時期のはずなのです。そこの部分をすっかりとスキップしてしまったまま、主役は17歳の心で、しっかりと前に進んでいくのです。どちらの世代にも、深い気持ちを感じさせる一本なのです。
原作は270ページを超える大量のテキスト。それを2時間の芝居に納めるために大量のカットを余儀なくしています。が、後追いで読み始めても(←読んでない本が大量にあるのにまた買ったらしい)、場面が生き生きとよみがえる、印象的な言葉が厳選された、まるで濃縮ジュースのような濃い2時間なのです。
あたし的には大好きな一本になりそうです。
演劇集団キャラメルボックス「SKIP」
2004.11.4 - 11.17 新神戸オリエンタル劇場
2004.11.23 - 12.25 サンシャイン劇場
原作 北村薫「スキップ」(新潮社) 脚本・演出 成井豊
出演 坂口理恵 岡内美喜子 岡田達也 西川浩幸 岡田さつき 細見大輔 前田綾 畑中智行 温井摩耶 大木初枝 三浦剛 實川貴美子
RED 藤岡宏美 左東広之 松坂嘉昭
GREEN 青山千洋 筒井俊作 多田直人
| 固定リンク
「演劇・芝居」カテゴリの記事
- 【芝居】「地獄八景(じごくばっけい)」おのまさしあたあ(2024.11.24)
- 【芝居】「ビッグ虚無」コンプソンズ(2024.11.24)
- 【芝居】「おまえの血は汚れているか」鵺的(2024.11.23)
- 【芝居】「精霊の贈りもの」羽布企画(2024.11.16)
- 【芝居】「PARTY TIME『骨はダラスに埋めてくれ』」かんたくん(2024.11.16)
コメント