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2004.11.14

【芝居】「イケニエノヒト」大人計画

2004.11.13 19:00

大人計画3年半ぶりの本公演、しかも客演なしの劇団員のみの期待の新作。12月5日まで世田谷パブリックシアター。そのあと大阪。

譲ってもらったチケットで、気合いの入ったB列席。をを、近い。感謝かんしゃ。猥雑な人間関係が大小さまざまに交錯していくのはまさに大人計画の味。客演やプロデュースでは脇に行きがちな劇団員たちもしっかりと見られるのが嬉しいのです。

とはいえ、まだ幕が開いたばかりからかどうか、ずいぶんと薄味に感じてしまったのも事実。シアターガイド(11月号)に乗っているあらすじと、ぴあ(11月18日号)のそれとで、ずいぶん違ってしまっていることからも、最後までかなり大幅な物語の変更を加えたんじゃないかと邪推します。もちろん劇団員たちの息は、まあぴったりといっていいレベルではありますが、人間関係のカオスに巻き込まれる感じがしない、ずいぶんと薄味だなぁとも思ってしまいます。客席は沸いていますが、笑いの点でも、ちょっとした違和感を感じます。あれれ。

板前を撮り続ける娘を演じた田村たがめさんの眼差しが印象的なのは大画面を使ったシーンが多いから。池津祥子さん、猫背椿さんの仲居は物語の中心ではないものの、舞台の雰囲気を作ります。カンフー少女を演じる平岩紙さんがかっこいい(←女優ばっかりじゃん)

昼に観た「本谷有希子」は「松尾チルドレン」と評されることの多い作家なのですが、二人を続けて観たあたし個人としては圧倒的に本谷の深い絶望の芝居に惹かれます。そういう意味では師匠を超えたといってもいいと思ってしまうのです。もちろん想いの深い旗揚げ作品の再演と、小説や映画に大活躍の中で描かれた新作とでは、多分に後者の方が不利だというのはわかりますが。

劇団 大人計画「イケニエノヒト」
2004.11.11 - 12.5 世田谷パブリックシアター
作・演出 松尾スズキ
出演  阿部サダヲ 宮藤官九郎 池津祥子 伊勢志摩 顔田顔彦 宍戸美和公 猫背椿 宮崎吐夢 皆川猿時 村杉蝉之介 田村たがめ 荒川良々 近藤公園 平岩紙 松尾スズキ
dance(東京): 尾碕拓也 関谷悦明 富川一人 宮沢紗恵子

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