【芝居】「空」青年座
2004.11.28 14:00
50周年を記念して、下北沢の5劇場で約2週間の同時公演の一本。泪目銀座でお馴染みの福島三郎さんの手による50年後の日本、ホームレスの女性たちで、コミュニティについて考えさせられる一本。12月5日まで本多劇場。
描かれているのは、ごくごくシンプルなことだと思うのです。「閉鎖社会が正しいかどうかなんてわからないけど、ひとは本当に独りではいられない」。一方であの国を笑いながら、この国の危うさを織り込んでいるなと感じます。どこか戯画的ですが。ゆがんだ教育の姿、ロボット相手に一人で話す姿、介護など、さまざまな姿。
中沢がなぜあの行動を取るに至ったか、劇中わりと説明されているのですが、なんかいまひとつ説得力に欠ける印象。キヨさんを演じる高畑淳子さん、微妙にがさつで繊細な気持ちをもつ人の姿をしっかりと。外界から最後にやってきたシンジンを演じた小林さやかさんの清楚なキャラクタは卑怯なほど心惹かれます。
舞台となるのは、もとは地下鉄の駅。「永田」という朽ち果てた駅名表示が見えます。舞台の高さをホームに見立て、客席の高さが線路。舞台の袖を使わずに、ホームから線路に降りたり、大きな階段を上り下りして他の世界と繋がっているという設定。けっこう新鮮な使い方で、感心なのです。
劇団webページはずいぶんと凝ったもの。特にキャスト一覧の「トリビア」はちょっと楽しい。公演チラシ裏面、全公演のタイムテーブルをグラフで表したもので、はしごを狙う芝居好きにはどの組み合わせが可能かを一覧できるとても優れたデザインでした。
青年座第177回公演「空」(下北沢5劇場同時公演)
2004.11.25 - 12.5 本多劇場
作 福島三郎 演出 宮田慶子
出演 高畑淳子 長谷川稀世 増子倭文江 小林さやか 椿真由美 松乃薫 五味多恵子 緒方淑子 片岡富枝 佐野美幸 那須佐代子 津田真澄
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コメント
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あの設定だと、総理ことキヨさんは、ビタミンD不足で深刻な肌荒れと骨粗鬆症に悩まされてるのではないだろうかと心配しましたが。
これなら、日光を浴びたことのないキヨさんでも安心ですな。
投稿: おくむら | 2004.12.03 16:05
コメントありがとございます。
たしかにねぇ、そういうとこつっこんじゃいけないとは思いながらも、そもそも、もっと生っちろくなっちゃうんじゃないかと思っちゃいますよね。これ。
投稿: かわひ_ | 2004.12.06 21:11