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2004.10.17

【芝居】「ときはなたれて」燐光群

2004.10.17 14:00

冤罪の死刑囚たちが晴れて生還し、語る形ですすむ6つの話。11月2日まで梅が丘BOX。そのあと七ツ寺、正華小劇場。

確かに動き少なく、話はどっしり重いのです。リーディングのようです。CVRのようなキャッチーさ軽快さはありません。が、間違いなく濃密なのです。 6つの話を交錯させるのに、まったく互い関係しないスタイルなのは勿体ないと感じてしまうけど、ほとんど全てが事実ゆえの重さだから仕方ないかとも思います。

失われた時間や人間らしさは簡単は取り戻せない、ということを、静かにしかし力強く語ります。陪審制度ゆえ、のように語られる話ではあるのだけど、日本の制度の中でだって完璧に防げるわけではないんじゃないのかなあとも。

一方で、むしろ無機質なCVRでは泣いたのに、本作では深くためいきをつくものの、気持ちが揺さぶられないあたしはどうしたことでしょう。どちらもほとんど事実そのまま、むしろ本作の方が人間一人一人のことを描いているのにかかわらず、です。日常からの突然の落差なのか、多くの命が一度に動いてしまうゆえなのか、あるいは音が大きいから、かな。

とかなんとか思いながら、本作、クオリティは間違いなく高いのです。小さな空間こそ生きる本作、ぜひ。

燐光群「ときはなたれて」
2004.10.1 - 11.2 梅ヶ丘BOX
2004.11.5 - 11.8 七ツ寺共同スタジオ
2004.11.11 - 11.14 精華小学校
作 ジェシカ・ブランク&エリック・ジェンセン  訳 常田景子  演出 坂手洋二
出演 中山マリ 猪熊恒和 大西孝洋 江口敦子 内海常葉 瀧口修央 裴優宇 久保島隆 杉山英之 小金井篤 樋尾麻衣子 工藤清美 亀ヶ谷美也子

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