【芝居】「濡れた髪」明日図鑑
2004.9.11 14:00
日常のシチュエーションを切り取り、少し悪意だったり、心にさざ波が立つような後味を残す明日図鑑の新作。 有機野菜のネズミ講もどきお販売会社事務所。社長夫人、社員、売り上げが上がらない会員、農家の男などが入れ替わり立ち替わり。13日まで。
およそ登場人物たちはみな問題を抱えています。これでもかこれでもかとばかりに、二重三重の問題で複雑で深刻な問題なのです。そんな それぞれに抱える問題が露呈する瞬間の嫌な感じ。それを蚊帳の外から眺める気持ちよさ。(←趣味悪いな、あたし) 観客からみると、絶対に安全な立場で見ているわけで。明日図鑑の魅力はそんなところにあるように思います。だから、見るときには体力というか、自分の気持ちが歩いていどおちついていないと、とても疲れるとも思います。
密やかに恋をはぐくむ二人の姿は、この物語の中では異質ですらあります。でも、見てて楽しい。苦情を苦情とも思わないようなアコギな商売してる男が、実家に想いを寄せる場面、その直後の会員からの電話で戻る日常の冷たい仮面への変化の落差も印象的です。
明日図鑑「濡れた髪」
2004.9.9 - 9.13 下北沢 駅前劇場
作・演出 牧田明宏
出演 谷川昭一朗 大久保佳代子 佐藤洋行 長門かおり 桜田真悟 石坂晋輔 矢代朝子 山口奈緒子 牧田明宏
| 固定リンク
「演劇・芝居」カテゴリの記事
- 【芝居】「ガラクタ」MCR(2024.12.07)
- 【芝居】「シハイスミレ」Q+(2024.12.07)
- 【芝居】「地獄八景(じごくばっけい)」おのまさしあたあ(2024.11.24)
- 【芝居】「ビッグ虚無」コンプソンズ(2024.11.24)
- 【芝居】「おまえの血は汚れているか」鵺的(2024.11.23)
コメント