【芝居】「痛くなるまで目に入れろ」G2プロデュース
2004.9.11 19:00
G2プロデュースってのは、キャストのラインナップが魅力的で、ちょっとフェイクな芝居をよく上演していますが、物語で広げた風呂敷が畳みきれないまま、伏線が回収できないまま、というのが多いと感じます。あたしゃ記憶力ないので、そんなもんかと思ってしまいますが、気になる人はきっと気になる弱点だと思うのです。
今作はその点で、張られた物語は、すべて残さず回収していて、その点ではちゃんとしています。時間軸ではなく、あまり丁寧な説明がされないまま時間がめまぐるしく移りながら説明をしていくので、最初ついていくのに少々手間取ります。
見せ方というか、雑踏を舞台の上での再現が実にスタイリッシュ。ああ、センスがいいなぁと思います。舞台の転換もスマートです。
松下、岩橋の二人は少々色気に頼りすぎる感はありますが実に魅力的です。舞台のリズムを作っているのは、実は中山裕一朗。巧いなぁ。久保田浩の語り部の役割を見るのは久しぶりでうれしい。陰山泰のやりすぎる親の突っ走り具合がマル。
親が子供を思う気持ち、それが度を超したばっかりにこんなことに。前半では笑いの多い舞台なのですが、この親のやりすぎ感は後半、舞台を重苦しい空気で包みます。でも、このやりすぎ感は笑いにこそ転化すれば、きっとおもしろいと感じる度合いが増えると思うのですが、物語の性格上そうもいかないのです(そりゃそうだ)。
G2プロデュース #8「痛くなるまで目に入れろ」
2004.9.9 - 9.17 東京 紀伊國屋ホール
2004.9.20 新潟 市民芸術文化会館・劇場
2004.9.23 - 9.26 大阪 シアタードラマシティ
2004.9.28 - 9.29 広島 明日テールプラザ中ホール
2004.10.1 - 10.3 福岡 西鉄ホール
作・演出 G2
出演 山内圭哉 中山裕一朗 曽世海児 久保田浩 岩橋道子 渡辺慎一郎 松下好 久ヶ沢徹 坂田聡 シルビア・グラブ 陰山泰
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