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2004.08.23

【芝居】「朗読の夜~女の夜」プログラムA KAKUTA

2004.8.22 19:00

朗読の夜、もう一つも同じ川上弘美の作品から。先日のBプロに比べると、物語がくっきりしているというか、 ちょっと突拍子もないものばかり3本。あたしが川上作品に求めるものとは、たぶん少し違う、「怖さ」や「異質さ」が勝っているという印象なのです。

階上の男が珍しいものを手に入れて、でも、それは生活を破壊してしまいそうなもので「離さない」。熊と女性の最初のピクニック、信じられる「神様」。Bプロと共通の「おめでとう」。

「離さない」は、いわゆる「はまってしまって抜けられない」状態の話。でも、それを男と女の関係ではなく、もう一人を登場させたのが新鮮な感覚。抜けられないときに、そこから救い出してくれる人が居たらなぁと思ったりするのは、なにもこんな特殊な状況に限らず。まさか3人目を出してくるとは思わないので演出にちょっとびっくり。あるいは階上の男の台詞を出演者でない二人に割り振るなど、ちょっと印象が他のものと違います。

「神様」はBプロの「草上の昼食」に繋がる、前のはなし。出逢ったときに感じる、どこまでも限りなくいけそうな豊かな気持ちを広げたまま終わる話なのだけど、あたし的にはBプロを先に見てしまった不幸、少し泣きます。

どちらを取るかといわれれば、川上作品に求めちゃうところ、という意味でBプロの方がより近い感じはします。やっぱり「川」かなぁ。とはいいながら六本の話、どれも引き込まれたのです。それは作品の力はもちろん大きく、でも役者がその世界をちゃんと体現しているのだなぁとも思うのです。

涼しくなった日曜。木曜のときよりはだいぶん快適に観られました。もちろん、天候の差だけではなくて、スタッフの努力が実ったのではないかと思います。たとえば窓を閉める演出をあけたままに変えたり(多分相当の葛藤があったはず)、あるいは連日、機材を調節したり。前回の花やしきといい、相当無茶なことをやらかしてるのだけど、それをひとつひとつ解決していく、というのは、どんなに彼らが大きくなったとしても、きっと力になっていると思います。

KAKUTA Sound Play [Another Style] 朗読の夜 vol.2 KAKUTAと麻生美代子 「女の夜」プログラムA
2004.8.16 - 8.23 @site
読本 川上弘美『おめでとう』[新潮文庫] 『神様』[中公文庫] 
構成・演出 桑原裕子
出演 麻生美代子 実近順治 成清正紀 田村友佳 野澤爽子 佐藤滋 高山奈央子 原扶貴子 水野美穂 川本裕之 

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