【芝居】「ホームラン」スロウライダー
2004.7.23 19:30
スロウライダー、あたしは初見です。「ホームラン」の初日。圧倒されるようなセットをみながら始まる芝居。独特のぬるさをもった芝居だなぁと思っていると、いやいや、こんなことが。合わせ鏡の向こう側に行ってしまうような瞬間のドキドキが印象的なのです。
なんせ、役者たちの目の「いっちゃってる」度合いが半端ではありません。笑っていても心底笑っているように思えない、一癖もふたくせもある役者たち。今作の中では、それが非常に効果的。
以下ねたばれ
寂れたバッティングセンター。他に娯楽もないしょっぱい街。将棋の駒などを作っている会社の従業員たち が集まっている。ひとり銀紙の帽子をかぶり、会社にでてこなくなってしまった男。彼には何かが見えていて、 何かにおびえ、何かを待っている。が、結納を控えたある男が窓の外に異様な光景を見たのに、銀紙帽子の男 以外は、驚くことがない、というか見えてすらいないよう。同僚たちは、ほんとうに同僚たちなの?
まあ、SFによくあるようなものではあります。同僚や友人たちが、何者かに操られていると感じる瞬間。 戯言を言っていると思っていた彼の言葉が正しいと思ってしまったとき、自分自身も精神を病んでいると、 まわりからは見られるようになってしまう、というのが、合わせ鏡を超えた瞬間。どきっとするのです。
スロウライダー 第9回公演「ホームラン」
2004.7.23 - 7.27 王子小劇場
作・演出 山中隆次郎
出演 芦原健介 山中隆太郎 青木宏幸 木田尊大 佐藤真義 数間優一 横山優美 森啓一郎(東京タンバリン)
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コメント
スロウライダー『ホームラン』に御来場くださいましてありがとうございました。
あわせ鏡のもつドキドキとは、まさに日常の中でノーマルと思っていたものが異常だったかもしれない、一番大事な彼女がアウトだったかもしれない、という主人公の心情そのものです。面白い感想をありがとうございました。
明日最終日です。
頑張ります。
ありがとうございました。
投稿: 三好佐智子 | 2004.07.27 00:59
三好さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
関係者の方の目に留まることが多くなってきたな..どきどき。
最終日の様子はどうだったでしょうか。打ち上げのお酒はおいしいでしょうか。
一番大事な彼女が、実はアウトだったというところも確かにポイントですね。そうか。なんかね、主人公のが向こう側にすっと行ってしまった瞬間がやけに印象的でした。
投稿: かわひ_ | 2004.07.28 02:10