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2000.01.30

【芝居】「ジャスキスマラソン」発砲B-ZIN

2000.1.30

3本たて。お祭り的楽しさは、まあ本篇に関しては少ない。 おまけつき。過去の作品のオイシイキャラクタ取りした小品。

会場は3本とも大盛り上がり。それだけ楽しめる作品だというのは間違い ないのです。最初に観たときはあれれと思った「ジャスキス」でさえも、 客席のノリによってはこんなにも、いいものだなぁと思うのです。

たまたま最前列というチケットが手に入って観たのですが、 最前列で観ると、後の席ではあんなに印象が薄かった小林愛さんが 実にいいのです。こまやなかな表情、かわいらしさと直情な感じなど、 魅力に溢れています。逆にあれほど良かったと思っていた武藤陶子さん がそれほどでもない、と感じてしまうのはどうしたことだと思います。

武藤さんの芝居はわりと大きなリアクションがあって、彼女自身も それを得意技にしています。大きな動きを面白く見せる技術を彼女は 自分のものにしているとおもうのです。だから後の席に行っても彼女の 芝居が芝居全体を通して実はとても印象的。

小林さんの芝居は、今作に限って言えば、コスチュームで身体の動きが わかりにくいとか、わりと表情でする芝居が多くて、その意味では それが後ろの席では感じなかったのです。そこが課題と言えば課題で、 一本ぐらい気負わず、物語を運ばなくてもいいような役どころを させれば良くなるような気がするのえす。

アタシとしては、武藤さんに注目してきちゃったのだけど、彼女は しばらく大丈夫そう。だからこそ、小林愛さんを、いまだからこそ 応援したいと思ってしまうのです。

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2000.01.28

【芝居】「ジャスキス・デス」TEAM 発砲B-ZIN

2000.1.28 19:30

【みたままおもったまま】
ジャスキストリロジーの最後を飾るシリーズ最終作「ジャスキス・デス」は、 凝ったものがたり、テンポのいい展開、発砲の役者たちの、少し新しい面が 見られたりもして、楽しめる一本です。楽日を覗く平日ならわりと当日券も 厚く出ているという話ですので、ぜひ。

キスによって何かが起こるという事件があるということと、体内に寄生してキスで 移動していく生物・パラシャイダー、それに主演のジャスティが物語の骨子 なのだけど、ものがたりそのものが着実にパワーアップしているのです。 時間の巻き戻しを飽きることのないような細かに違えながら見せる手法 など、きだつよしさんは、凄いなぁと思うのです。

この最終作のみ、初演を観ていますが、これは小劇場時代を代表する 一本なのだと思います。本多やアプルなどの中劇場でも彼らの力は十分である ことは既にわかっているのですが、小劇場で作られた作品をこの規模の劇場に もってきても違和感のないものになったというのは、特筆すべきことだと思います。 一本目のときにはほんのわずか感じた違和感は、最近の発砲の公演に比べて 物語がシンプルだ、ということに起因してる気がしてきました。

かつて主演を続ける小林愛さんという看板だけが突出していた印象も、 この3本を観る限り、最近の新人女優たちがまだ荒削りながら着実に力を つけていてこれから先、いい予感がします。「Bridge」(98年3月)あたり からめきめきと力をつけ、この3作で強烈な印象を残した武藤陶子 さんは、もちろん今作でも印象的です。が、今作のような「物語を運ぶ」 立場ではもう少し、という印象も。こればかりは精進いただくしか、 ないのですが。

反面、この3作で、看板の筈の小林愛さんの印象が薄くなってしまってる ところもあるのだけど、物語を確実に運んでいるのは確かだし、やっぱり 彼女を観てるといい気持ちになるし、応援すべし、と思うのです。

【補足】
初日だというのに通路席まで出る盛況。とはいえ、31日から2日の公演 はまだ余裕があるとのこと。これだけの盛況をなのに統率されたスタッフ の当たりは柔らかでとてもいい印象です。発砲にネビュラプロジェクトが かかわるようになったことでさまざまな変化は出ています。想いは ひとそれぞれですが、このスタッフの見事さは、いい変化なのだろうと 思います。もともとちゃんとやってる劇団ですが、形式的にも統率が 取れていますし、なによりスタッフひとりひとりがきちんと考えて 行動しているのは観ていて気持ちがいいのです。

【ものがたり】
宇宙犯罪人・クロノス(西ノ園達大)を追いかける、宇宙刑事・ジャスティ(小林愛)。 何度も追い詰めながら、最後の最後でクロノスの逃走を許してしまっている。 クロノスの持つその不思議な能力に気づき始めたジャスティは最終装備・ ゼロスティックを手にクロノスを追い詰める。そして追い詰めた先は、 クリスマスイブ・日本。とある会社のとあるフロア。たまたま居合わせた男・ ヒロ(平野くんじ)を巻き込んでの、大捕物がはじまる。

【観劇データ】
2000.1.28 19:30 - 21:00 通路席 右9 (当日券)

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2000.01.19

【芝居】「ゴージャスキス」TEAM発砲B-ZIN

2000.1.19 19:30

【みたままおもったまま】
「笑って泣けるヒーローもの」を標榜する「発砲」の人気シリーズ、「ジャスキス」 3部作を一気上演する企画の二本目、「ゴー・ジャスキス」。物語そのものが先週の 「ジャスキス」よりも面白くなり、役者たちのテンションも上がっているよう。 先週見て、あれれと思った方にこそオススメしたい。平日のチケットはまだまだ 残っているという話も。

なにより物語と配役のバランスがいいのです。一人が突出するということでも なく、ものがたりの世界をきちんと作っているという感じがします。 笑い、驚きをとるために緻密に作られているのがわかります。何でここでこんな しょうもないことを、と思っているとそれがあとでじわりと効いて来ます。

あっと驚くシーンが一つあって(とても言えない)、その瞬間何が起こったか わからずに客席がしんと静まり返るのです。きっと「してやったり」 なんだろうなぁ。いえ、そうたいしたこっちゃあないのですが。 映像では見慣れている構図なのですが、舞台で見ると、それは新鮮な 驚きに変わります。演劇から映像という時代の流れとは逆のこんな しかけをするとは、演出がほんとにすごいのだなぁと思います。

「泣ける」についても、今作は非常に完成度が高いと思うのです。 ほんとにささいなこと、崩れそうな何かをささえる、その心意気、 あるいは、最後の最後の言葉は、人にいわれるでなく自分が発する。 こうやって書くとやけに説教臭いようにも思えますが、そうでもなく この辺のバランス感覚もよくて。

バンビを演じた吉田トモさん。彼女もまたコミカルな動きの多い役で、魅力的で。 武藤さんの動きは、喜劇のそれ。看板のはずの小林愛さんは、中心に居ることで 逆に自由に動けなくて可哀想な気はします。が、ラストシーンの、さっぱりと した彼女が実にいいのだなぁと思います。

かん高い声で喋る役の多い工藤順矢さんですが、今作、特に前半での 低く、おちついた声はなかなかいいなぁと思います。 初演ではラヴ&ピース川津さんの演じた役となれば、このポジションを 演ずる役者の難しさは想像できますが、かわひらの今までの感覚からすれば、 彼は実によくこなしているなぁと感じます。

狂言回しなやくどころ、作・演出を兼ねるきだつよしさんが実に生き生き、 うれしそう。たしかにオイシイ役どころには違いなくて。

【ものがたり】
クリスマスの夜。ロマンティックなクルーザで二人きりの夜を過ごそうと 思っていた光子(武藤)は、婚約者の鏡(西ノ園)と二人で港にやってくる。 が、意図せざるたくさんの客たちが、乗り込んできてしまう。 そのうえ、怪しい出で立ちで宇宙刑事と名乗る二人組までもが。 ジャスティ(小林)とダン(平野)と名乗る二人は、宇宙犯罪人を捉えるために 地球に降り立ったのだという。

【観劇データ】
2000.1.19 19:30 - 21:00 N列15番

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