【口笛きのこ】つめきり
99年@nifty FSTAGEに書いたレポートの再録です。
主宰かつ作・演出の三谷麻里子さんのGirlyでポップな雰囲気が気持ちいい 「つめきり」の新作は、共同生活を営む男女五人を核にしたものがたり。 実は結構あたしは好き。好みは分かれるところかもしれません。
雑貨屋のオンナノコ・しな子(村中)と、公園で出逢った格好なんか気にしない 自転車屋のバンダナ男・天の川(足立)の二人。何げなく出逢って、毎日ちょっと ずつ逢っていた二人。お互い相手のことが好きだったことにやがて気がつく シーンが好きです。中学生じゃあるまいし、こんなシーンでキュンとして しまうってのもどうかしてると思うのだけど。
「何かを極めたい」と思い続ける女・ひとみ(相馬)の一連の話も好きです。 劇中で語られるように、それは確かに「自分探し」なのかもしれない。 「自分探し」が芝居でかつて流行したのは間違いないのだけど、それは 観てないし、だって好きなんだもん、いいじゃん。(←意味不明)
恋愛する人々にしても、自分探しにしても、わりと類型的といえば 確かにそうでして、新しい何かが提示されているというのとはどこか 違います。じゃあ、この舞台の魅力は何かといわれると、よくわからん のです。おじさんには。でも好きなんだよなぁ。(これじゃ説明にならん)
登場人物たちの関係がわりと希薄で、共同生活している5人だって、 実はお互いをよく知らないし、恋愛でさえも関係が希薄だなぁと 思うのです。でも、そんな関係がわりとまた心地よかったりするというのも イマ的なのだな、と感じたりもして。
おばあちゃん、怪しげな教祖の落差が気持ちいい矢部愛さんが印象的。 つめきりをかたちづくる女優たちの魅力いっぱい。雑貨屋のオンナノコ を演じる村中雅子さんの笑顔が好き。女優たちは可愛らしく、男優 たちはわりと格好良く。もしかしたら、けっこういいかもしれない。
おすすめしようにも、どうやって説明したらいいのか困ってしまうのだけど。 それをここに紹介しようってのが、そもそものあたしの無茶、なわけで。
【ものがたり】
いくつかの並行する物語。くっついたり、離れたり。
共同生活する5人の男女。陶芸家、雑貨屋、菓子職人、美容師、DJ。 お互いが恋愛などすることないように暗黙の了解、それぞれがいきいきと 生活している筈なのだけど....
コート姿の女の子・ののちゃん(岸田)は、たくさんの言葉が溢れてしまって、 たくさん喋りたくて。公園で、喋らない男と出逢って、かえって興味があって。
高校生から「極めたく」なった女・ひとみ(相馬)。極めたいのだけど、何をしたら いいかわからなくて。怪しい劇団に連れていかれたり、でも何か違う...
雑貨屋の女・しな子(村中)は、公園でたまたま、身なりを気にしない バンダナ男(足立)と出会う。何げなく毎日顔をあわせて、彼は牛乳を飲んで。 それを繰り返して、我慢できなくなる想いは..
ひとみは美容師・三ケ月(斎藤)と出会い、口説かれて。三ケ月の昔の妻(難波) との子供、ののを育てることになって...
1999.11.13 15:00 - 16:30 最前列 (15分遅刻)
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●つめきり むっつめ公演「口笛きのこ」
1999.11.10 - 11.14 東京 ザムザ阿佐ヶ谷 (阿佐ヶ谷ラピュタ)
作・演出 三谷麻里子
出演 足立道彦 いのくちあきこ 小野瀬誠 田辺麻美 難波美恵 萩原孝之 福永光宏 村中雅子 岸田朋子 相馬佐江子 斎藤拓 矢部愛
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