« 1999年3月 | トップページ | 1999年8月 »

1999.05.14

【芝居】「ビデオデゴメンバー」TEAM 発砲B-ZIN

1999.5.29 14:10

【みたままおもったまま】!!!ねたばれ あり!!!
ついこの間まで駅前劇場あたりだったとおもうのだけど、あれよあれよと スズナリ(約200席)、本多(386席)と来て、ついにシアターアプル(700席)と 規模を拡大するTEAM発砲B-ZINの新作は、特撮戦隊モノビデオの中の登場人物 たちが出て来てしまってあれこれなものがたり。少々つめこみ過ぎ、作りが 荒いなぁと思う所もないわけじゃないのだけど、この手のヒーローものへの 愛情と、その愛ゆえの掟破り(平たく言えばつっこみね)とがほどよくバランス した一本。

平日はわりと当日券が残っているよう。今回を見逃すと後悔する、 なんてこともあるし(ひみつ)、おすすめ。

本多劇場の時も感じましたが、このテンポで劇場規模を拡大することで、芝居の 中身がついてこないんじゃないか、という気持ちは杞憂に終わったのでした。

役者たちの声量が足りないから声が届かない、動きが少々小さい、せっかくの 映像が暗いなど不満をあげればきりはないけど、それよりもアプルという規模の 劇場でしっかりとハッポウのカラーの芝居を立ち上げているということにびっくり するのです。

TVシリーズのダイジェスト、という設定は、短くテンポのよい展開を可能に している代わりに、少々細切れであわただしくなる感じは否めません。最初 のころこそ、なんとなく造りが荒いなぁ、と思ったりもするのだけど。

途中にはさまれる何話かのエピソードが楽しい。乙女心ネタがあったり、 微笑ましいクイズ番組ネタがあったり。そうそう、こういうムダな楽しさが、 ヒーローものでは、実は結構重要なのだなぁとおもったり。

ビデオの中の住人たちは、こちらの世界のビデオにやってきて、自分たちの 行く末を知ってしまうのです。知れば当然どうかしようともがくわけで。この あたりはヒーローものの掟破りではあるのだけど、このあたりのバランスが 実に絶妙です。

とはいえ、全体としては、ヒーローものもろお約束な展開。いやはや、 かわひらなんか涙してるなぁ。まったく。こりゃやばいんじゃないかと、 自分でつっこんでみたりして、わけのわからん葛藤したりして。 願えば叶う、ヒーロもののいいところ、その気持ちをもらえること、 疲れてる気持ちが元気になる、そんな舞台を見られれる事が幸せだなぁと おもうのです。

ラスト近く、第13話のビデオの中の世界が好きです。今まで、これほど細かく 気を配られた無彩色の世界、というのを舞台では観たことがありません。そこで 描かれている内容は、実際の所どうということはないのですが、一見白と黒だけに 見える世界が、細かくグラデーションしたり、微妙に灰色の濃さが違っていたり。 そうそう。モノクロって、こういう奥深さがあるのだなぁとおもうのです。 写真や映像なら造作なくできるこの雰囲気を、現実の舞台でやろうとすると 見かけ以上に大変なんじゃないかと想像します。凄い。

アオメンバーを演じる武藤陶子さんを、なんと女子高生でもってくるところ なんざぁなかなか。少なくとも遠目には結構素敵でして、トランスホーム(初演) に続いていい役じゃないかしらん。(ファンなのだ)道化な役どころの工藤順矢 さんは絶叫調が気になるといえば気になるけど、いいかんじ。悪役演じる 草野徹さんは圧倒的な存在感があって、人数の多いゴメンバーに対して バランスが取れている感じがします。そして、あの男。ちょっとしかでないのに かっこいい。

..いや、それにしても「白石ひとみ」たぁ..^^;;年齢層がかわひらあたりだったり するってのも、気持ちいいところだったりするのですね。

【補足】
5枚のパンフを集めてもっていくと「ゴダンカイザー」もらえる企画は相当に ヒートアップしてまして、競争率はかなり高め。がんばれっ。
袋チラシは、袋当日パンフになってまして、これでも十分当日パンフなのだ けど、1500円のパンフの凝り方もおすすめ。ゴメンバーTV放映エピソード なんて架空のおまけが楽しいのです。マツキヨCMに出てた小林愛似の 女性をネタにしてるとこなんざぁ、お目が高い。^^

【ものがたり】
特撮テレビシリーズ「ゴメンバー」のムック本を書く仕事を生活のために 引き受けた男(平野)は、資料のビデオをまとめて見ていたが、落雷とともに、 妙ないでたちの男が現れた。ビデオに出ていた悪役怪人・ワンダーブル (工藤)だった。時空を越える能力によって、ものがたりの世界から間違ってこちら の世界にやってきたのだった。いったんはもとの世界にもとった怪人だったが、 次にやってきたときには、ゴメンバーのリーダ・アカメンバーこと赤木一番(きだ) をつれてきてしまった。

「がんばれば勝てる」「願えばかなう」というものがたりの世界のお約束は、 現実には通じない、ビデオの中の背界は薄っぺらだと言う男に、赤木は ものがたりの中の人物たちは懸命に生きているのだと反論する。 二人はお約束を破るような状況でも正義の味方は勝てるのか、と議論になって 勝負をすることになる。男が設定したさまざまな状況でも、正義は勝てるのかと。

ヒーローもののお約束をやぶるようなさまざまな状況でも、赤木たちは切り抜けて いく。が、男が形成逆転を狙って、悪玉の親分ズノウ・ホワイト(草野)にも 先の展開を教えてしまったために....

【観劇データ】
1999.5.29 14:10 - 16:15 当日券

続きを読む "【芝居】「ビデオデゴメンバー」TEAM 発砲B-ZIN"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 1999年3月 | トップページ | 1999年8月 »