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1997.12.29

R/【ランチタイムセミナー】JJC

【みたままおもったまま】
大使館占拠という、どこかの国での話。あの実話にインスパイアされたのは 間違いないのですが、その中で起こった実際の話し、というのとは少し違いそう。

武装グループたちと日本人人質たちは、もちろん敵対する関係なのだけど、 何カ月かの同居の間に共同体ともいえるような不思議な感情が芽生えていたり して。一方で、日本人人質同士は、基本的には仲間な筈なのに、悪意がないとは いえ、それぞれがそれぞれに一種コソコソとした怪しげな行動。オープンで仲間 うち、とはいいながら、影に隠れた行動のギャップ。二つの「関係」 の行き違いが面白かったりします。

突入から一年後、もはや廃墟になった大使館を訪れるかつての人質の一人。 かつての大使館員の一人も残っているのだけど、彼が泣くシーンがあって、 実はちょっとわからなかったり。

若き大使館員の男性を演じた荘加真美さんがいい感じなのです。そう、女性。 人質となった民間人の4人がそれぞれに、平和な駐在日本人という感じなのも マル。武装グループのリーダーを演じた池田火斗志さんは、ほんとに南米の 武装グループという感じ。後半で日本語を喋るシーンまではほんとに怖かったり して。

最後に現れる「命なき者たち」の姿は、物語を一気に別の世界に。そこまでは どこか現実的な、ある種普通の世界なのですが、この一場だけは、まったく 別の世界。にもかかわらず、他のシーンとの落差がなくて、スムーズなのに 驚きます。 リーダーの言葉。「同志やない、さしずめダチやな」というのも実に良い感じ。

もう言い尽くされていますが、確かな力と確かな目。夢想するような不思議な 雰囲気を一瞬に作り出すことといい、とても印象的な舞台だったのです。

【ものがたり】
武装グループに占拠されたどこかの国の大使館。長期に渡る占拠は、日本人人質 たちと、武装集団たちの間に奇妙なつながりをうみだし、それなりに安定した日々 を過ごしていた。が、個々の人質たちも、情報を求めて、さまざまに手を廻す。 武装集団のリーダーと個人的に親しくなることに成功した男、ある日彼らと中庭で サッカーに誘われるが...

【観劇データ】
1997.12.29 16:00 -

--- ●劇団ジャブジャブサーキット第28回公演[ランチ タイム セミナー」
1997.11.19 - 11.26 名古屋 大須 七ツ寺共同スタジオ
1997.12.25 - 12.29 東京 駒場 アゴラ劇場
作・演出 はせひろいち
出演 鬼頭卓見 小山広明 世一嘉津男 岡浩之 所晴巳 荘加真美 松本真一 池田火斗志 疋田英司 一色忍 岩木淳子 中杉真弓    長尾みゆき 高野彰秀 咲田とばこ(/栗城己義)

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