R/【朝日のような夕日をつれて'96】第三舞台
結局、東京では2回見てしまいました。福岡のおいしい料理につられて、 オフにも行くから、あと少なくとも1回...キリがないので、とりあえず 感想、書いちゃいます。
【みたままおもったまま】
2時間の芝居の間、十分に堪能したとは言えます。その意味でモトはとったし、
十何年も前にこれを作ったというのは凄いことだと思うのです。
チケット確保が難しいこの芝居を、当日券にトライしてまで何回も見に行く人々 を駆り立てるものはいったい何だろう。1回目に観た時のかわひらの実感でした。 熱狂している人々がいる。が、その輪の中に最初の段階で入れないとずいぶんと 疎外感を味わってしまいます。
この感覚は、いつかも味わったような気がします。たとえば友達に連れていって 貰ったユーミンのコンサート、たとえば去年の、キャラメルボックスの「風を継ぐ者」 や「不思議なクリスマスのつくりかた」。ヒートアップする客席とは裏腹に かわひらの心が少し距離を取ってしまいます。もちろんエンタテインメントとしての 基準はクリアした上で、しかもかわひらの好みの方向ではあるのですが。
特に、「不思議なクリスマスのつくりかた」と「朝日」は、とても似たものを 感じてしまったのです。(怒られるかな) どちらも極めて小劇場的で 多用な解釈が可能な二重構造の芝居だし、思い入れの強い人がたくさんいる。 という点でも。観ている側にたくさんのとっかかりを残してくれるこれらの 芝居そのものは、結構好きなのです。
...と、ここまで書いたあとで2回目の観劇。
2回観たあとは確かにずいぶんわかりやすいな...いいやそうではありません。 相変わらずわからんものはワカランという気持ちになります。 たくさんの台詞、莫大な情報、スピーディーな転換。 入って来る物を全てリアルタイムで処理しなければならない1回目 は、いろんな意味で観ている側に余裕がないのです。圧倒的に情報を つめこんだこの芝居では特にそうです。2回目は、何がおこっているか 予測ができるぶん、ずいぶん楽だし、シーンの楽しさとか、役者の凄さとか を楽しむことができます。
この芝居を今回初めて観て、それでハマってしまう人ってどれくらい居るのだろう。 絶賛している人はリピータに多いということは、実は観ている側の余裕に起因する んじゃないかとおもったりもします。1回目で、しかも予備知識なしだと自分の 「朝日の形をしたピース」を探したり、役者の凄さにただいい気持ちになる余裕も ないんじゃないかしら。
これはかわひらだけの感覚かもしれませんが、コンピュータゲームやネットワークが 題材にとりあげられるということによって、凄く落ち着かない気持ちになります。 話しが生臭くなってしまいそうな気がして。この朝日で示されるコンピュータや ネットワークの分析は的確だとは思いますが。芝居を一ヶ月もやってるうちに、 ネットワークの世界はどんどんと変わってしっている、という気もしますし、 取り上げられる題材もあっという間に陳腐化してしまいそうで。
この芝居が初演された時の「ルービック・キューブ」ではどのような物語で あったのかということに凄く興味があります。コンピュータの生臭さを感じなくて いい分、もしかしたらかわひらにはあってるかもしれない、とか思ったり。
とか、なんとかいいながら、かわひらはオープニングの囁くような、あるいは エンディング近くの「みよこの手紙」のシーンの群唱が好きです。このシーン のためだけに、(91年版だけど)戯曲買っちゃったし、なんか頭のなかでぐるぐる まわってます。この「音」が。
..あ、やっぱりまとまらなかった。おまけに芝居そのものの感想があんまりない(^^)
【ものがたり】
危機に瀕したおもちゃ会社、立花トーイ。世の中の人々が欲しているものが
わからない。そんな中、研究員・モニターが完成してきた次世代のおもちゃは...
【観劇データ】
1997.2.15 19:00 - 21:00 12列1番(セゾン前売)
1997.3.1 19:00 - 21:00 10列16番(セゾン前売)
●第三舞台「朝日のような夕日をつれて'96」
1997.1.27 - 3.2 東京 新宿・紀伊國屋サザンシアター
1997.3.12 - 3.23 大阪 上本町・近鉄小劇場
1997.3.27 - 3.31 札幌 道新ホール
1997.4.4 - 4.7 福岡 大野城まどかぴあ
作・演出 鴻上尚史
出演 大高洋夫 小須田康人 筧利夫 松重豊 松田憲侍
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