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1996.12.28

【芝居】「ジャスキス・デス」TEAM発砲B-ZIN

1996.12.28 14:00

オフ会での観劇。とても見やすい椅子席、感謝かんしゃです。

【みたまま、おもったまま】
コスプレチックな衣装や、特撮ヒーローっぽさというのはもちろんあるのです。 しかし、こうゆうものに特段拒否反応を示さないのならば、なかなかに面白い 芝居だと思うのです。30代ぐらいまでの世代なら、たいていこの手の特撮番組 の洗礼を受けているはずで、その文法の中で進む物語は、実際結構緻密に出来て いて、楽しむことができるのです。

デッカードさんが取り上げてらっしゃるとおり、設定上の無理な部分は無理やり ながらもきちんと話をつないでいるし、その部分の疑問をすべて吹っとばして しまってぼーっと見てても面白いというつくりになっています。

完成度は前作・トランスホームよりも高いと感じます。アクションに対する各種の 効果音や照明効果などのタイミングもかなりばっちりと合っていて、脚本の完成度 もさることながら、演出面でも相当に作り込んであることがわかります。

主役・ジャスティを演じた小林愛さんは、可愛らしくて、カッコよくて、華のある 女優さんです。ジャスティが自分の銃で打ち抜かれるシーンの表情やびっくりして 目を見開いたときの目の印象が強くて、魅力的です。が、それに比べて他の女優に 対する掘り下げが浅い、というのが残念な気もします。結構いいアジが出てるとも 思うのですが。

前作では単なるヤな奴だった、きだつよしさんはでづっぱり、結構格好良かったりも して、いい感じです。ゼロを演じたラヴ&ピース川津さんのコミカルでありながら 物語のかなめといいう役どころもマル。

ごちゃごちゃ言うまでもなく、「ああ、楽しいっ」とか、「こいつらバカだなぁ」 (念のため、アタシにとっては誉め言葉です)っていう娯楽としての楽しさ、それを 生で見られることの面白さのパワーに溢れています。

ピスタチオに近い雰囲気がないこともないのですが、それよりはずっとチープで なじみやすいという感じがします。特段の拒否反応がないのならば、大きな ところでやりはじめる前のいまのうちに見ておくことをおすすめします。

【ものがたり】
宇宙犯罪人・クロノス(工藤順矢)を追いかける、女宇宙刑事・ジャスティ(小林愛)。 何度も追い詰めながら、最後の最後でクロノスの逃走を許してしまっている。 クロノスの持つその不思議な能力に気づき始めたジャスティは最終装備・ ゼロスティックを手にクロノスを追い詰める。そして追い詰めた先は、 クリスマスイブ・日本。とある会社のとあるフロア。たまたま居合わせた男・ ヒロ(きだつよし)を巻き込んでの、大捕物がはじまる。

【観劇データ】
1996.12.28 14:00 - 15:40 A列3番(前売り、オフ会幹事確保チケット)客席ほぼ満員

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1996.12.25

【芝居】「不思議なクリスマスの作り方(グリーン)」キャラメルボックス

1996年にNIFTY Serveに書いた感想です。

------ 【みたままおもったまま】
ダブルキャスト、しかも同じ演出とくれば、あとは役者を比べることになってしまい ます。Redと名付けられたチームはどちらかといえばベテランを中心に配した構成。 対するGreenは若手を中心とした配役になっていました。これはもう、redの圧勝 (勝負じゃないけど)かと思っていました。事実、東京に来るまで、いえ、東京に 来てからの噂を聞く限りは、Red優勢との声が多かったように思います。

どちらかといえばわかりにくい部分のある芝居です。ピーナッツブックスの登場人物 たちのキャラクタを知ってないと、最初はつまづいてしまいます。で、やっぱり 二回目に観るとずっとわかりやすく感じてしまうのです。これを「奥が深い」と みるか、「わかりにくい」とみるかというのは、ひとそれぞれでしょう。が、 かわひらは後者の意見を取ります。

やっぱり、普通の人にとっては、芝居って、一つの公演では一回しか観られない ものだと思うのです。ましてや、前売り即日完売となってしまったキャラメルボックス の今作では、観たくてもみられない人もいたとおもいます。となれば、 一回目に観たときの、なんかわからない、もやもやした感じがどうにももったいない という気もします。もちろんわかりやすくなきゃいけない、とだけ言うつもりも ないのですが、ものがいいだけに、残念だと思います。 楽日に観たGreenチームの芝居は、一種はじけていて、とてもストレートに心に 響くものでした。あまりに多い公演数のせいなのか、どうにも暖房の効きにムラの あるBLITZという劇場のせいなのか、喉を傷めている役者さんが多いのが気になります。 もう、どうにもガナっているという気もします。が、芝居全体として心に残ったのは 初日の時点でもある程度の完成度を持っていたRedよりも、荒削りでありながら、 芝居にリズムを持っていたGreenという気がします。もっとも、Redは初日、Greenは 楽日での比較ですから、正しい比較とは言えませんが。

今までは、ミニスカートの印象だけがやたらに強かった(良く考えたらメチャクチャ 失礼な言い方だな>自分)岡田さつきさんが心に残ります。可愛らしさもパワーも、 確かに芝居に張りを与えています。Redの坂口理恵さんの手によるものと似通って いるのが気にはなります。彼女なら、もっと自分のカラーを出せる気もします。

菅野良一さんのライナスは、ダブルキャストの細見大輔さんのそれとは明らかに 違うカラーを作っており、魅力的です。何より、この一年で本当にイイ顔をする 役者さんになったと思います。

【補足】 最終日の恒例らしく、たくさんの拍手と、クリスマスプレゼントのグリコ。更に 「シュレーダのピアノ」を使っての合唱。演奏には曲提供の ZABADAK・ さん。ぜいたくなこと。

初日の時点ではさまざまな不満がありました。何より大きいのはとにかく1F席が みづらいというものでした。劇場の構造の問題ですから、根本的な改善はされて いませんでしたが、初日から楽日までの間にはいろんな改善がされています。 1F席の列数を増やして立ち見の割合を減らした事や、座高を稼ぐためのざぶとんの 貸し出し、あるいは通路上に列番号の表示をしていることなど。とにかく、 観客のためにさまざまな工夫をして少しでも快適に、と考える制作側の心意気を 感じます。

【ものがたり】
クリスマス・イブの夜、人で賑わうデパートのエレベータが突然止まり、閉じ込め られた人々。その中で本を読む一人の少女。彼女が読んでいるのは 「さびしがりやのチャーリー・ブラウン」だった。
やることなすことイイトコなしのチャーリー・ブラウンの姿に自分を重ね 合わせる少女。広がる彼女の想いは、ピーナッツ・ブックスの登場人物たちと 一緒に空想のドラマの中に入り込んで行くが、徐々に反乱を起こしていく、 ライナス、シュレーダー、ルーシたち。現実と空想のはざま、彼女は... チャーリーブラウンなんかじゃ、ない。

【観劇データ】
1996.12.25 19:00 - 21:30 G列24番(前売り) 客席満員
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●演劇集団キャラメルボックス「不思議なクリスマスのつくりかた」
1996.11.21 - 11.22 福岡 メルパルクホール
1996.11.27 - 12.4 神戸 新神戸オリエンタル劇場
1996.12.11 - 12.25 東京 赤坂BLITZ(03-3224-0567, 千代田線赤坂駅)
劇団連絡先: キャラメルボックス(03-5386-0220), http://www.bekkoame.or.jp/~keaton
作・演出 成井豊
出演(GREENチーム) 大森美紀子 西川浩幸 岡田さつき 今井義博 真柴あずき
菅野良一 中村恵子 前田綾

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1996.12.14

【芝居】「法王庁の避妊法」自転車キンクリートSTORE

1996.12.14 19:00

別の芝居を見ようと思ったのです。が、覚えてた時間が間違ってる ことが判明。で、あわてて探して見つけたのが、もっと先に観るはずだった この芝居。当日券でした。

【みたままおもったまま】

少し、ねたばれあり。でもそんなことは大した問題じゃ... 結論から言っちゃいます。強力に、オススメ。ほんとうに大好きです。この芝居。

「オギノ式」って知ってますか?どうやったら子どもが出来るか、(あるいは 出来ないか)ということの基本になってる「女性のからだの話」。この法則性を 解き明かした日本人医師とその妻、病院に出入りする女性たちを軸に物語は進みます。 「オギノ式」の言葉は知ってても、そのものがたりは初演を観るまでは 知りませんでした。なんせ、小学校でよく読む「偉人伝」とかにはあんまり 出てきませんものね。

萩野久作さんを演じた山西惇さんは初演の時の佐戸井けん太さんよりは骨太な 印象で、東北っぽくない、というと偏見かしら。でもどこまでもまっすぐで 実直な印象がずっと強まったようにも思います。

戸川京子さんの"不妊に悩む嫁"。時代のせいにするのは簡単だけど、子どもが できないことに対する強烈なプレッシャーに強く、けなげにがんばる姿。 かわいらしく、素敵です。 歌川椎子さんは"子だくさんの女性"。これは不妊とは逆の意味なのだけれど、 やはり産む性ゆえの不幸。強く、でもやはりけなげで。

この手のイイ話は、少なくともオトコからは文句がつけにくいなぁ、なんて思った りもするのですが、そんなことを言わせないぐらいに完成度が高くて、凄いと 思います。3時間っていう長い上演時間なんですけど、ずーっと笑ってるか 泣いてるかしてたのです(^^)

この劇団の作家・演出は女性なのですが、そのとても優しい視点がだいすきで、 ツボをガンガン刺激します。また、言葉の選び方というか、言語感覚 がとても気持ちにマッチします。たとえば、ことばそのままでは ありませんが(戯曲買えばよかった..)「今までは(妊娠のメカニズム が解明されていないゆえに)選べないから、女性たちは苦しんでいた。しかし、この 発見によって、選らぶ苦しみというのを女性たちは得る。」なんていう雰囲気の シーンがあるのですが、とてもツボが刺激されます。ああ、あたしはやっぱり じてキンが好きなんだなぁ、と思います。

再演はどうしても評価辛くなるのですが、もしかしたら今年のベストワン... かもしれない。(記憶力がザルなんでよく考えてみないと何ともいえませんが) ああ、そういえばそんな季節>ベストテン

【ものがたり】
大正の終わり、新潟の産婦人科医・萩野久作(山西惇)は当時世界中の研究者が 取り組み、解明できなかった「女性の排卵はいつ起こるのか」という謎に取り組んで いた。町医者が解き明かすことなどできそうもなかったこの大問題、日々の 診療から症例を集めていた。

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