【芝居】「トランスホーム」TEAM発砲B・ZIN
1996.6.30 19:00
初見の劇団。ちょっと早めについてしまった下北沢を散歩がてら歩いてスズナリ前を通ると...すごい人だかり。当日券の列だそう。開場後も続々とやってくる人、立ち見のつめかたもすごいことに。楽日とはいえ、日曜日の夜..なにやってんだ、みんな。(自分もそのひとり)
【みたままおもったまま】
ビートルズをリアルタイムで体験している世代とか、あるいは王・長島の野球中継を
ワクワクしながら観ていた世代というのがあります。その世代で、おなじ出来事を
共有していた者だけにわかる盛り上がり。テレビが確実に役割をはたしています。
「テレビ探偵団」なんてそれをうまくとらえた番組でした。
この芝居を心底楽しめるかどうかというのは、このあたりに鍵があるような 気がします。モトネタがわかるとか、そうゆう意味ではなくて、「特撮モノ」とか 「アニメ世代」の雰囲気を体で感じる事ができるかどうか、という意味で。 かわひらもご多分にもれず、「ガンダム」あたりのアニメをリアルタイムで体験 している世代だったりします。なつかしい。中途半端なアイキャッチや、 オープニング直後のスライド(主題歌つき)とか、このあたりのアニメの 一種の様式なわけで。
不慮の事故で死んでしまった家族たちが、成仏できずに降臨。ひとり生き残った 息子の部屋の家具に乗り移る、という設定。もちろん荒唐無稽、メチャクチャです。 しかしこの設定をパワーで乗り切ってしまうあたり、タダモノではないと見ました。
あまりにチープな衣装とか、人によって好みが分かれるところだとは思います。 このメチャクチャな設定を活かすためには、あのチープさは大切だなぁ、と思ったり します。これでなまじっかお金かけちゃうととたんにつまらなくなったりして。 「ぎーっ、がしゃん」とか口で言いながら、変形(トランスフォーム)するチープさとか。 あ、誉め言葉です。>チープ
確かに奥行きという意味ではちょっと物足りなさが残ったりもします。「死にたくて 死んだんちゃうワ」の台詞への盛り上がりとか、「家具って、あってあたりまえ、 なくなって初めて寂しく思う」みたいにちょっとホロっとさせようとしている部分の 片鱗は見えますが、これじゃヒネた大人は泣かないかも。(^^)
看板、小林愛さんがやはり光ります。ちょこちょことよく動き、声も通り、この 世界にぴったりとハマっています。この劇団のタカラです。
【ものがたり】
不慮の事故で死んでしまった家族たち。成仏できずに一人生き残ったちょっと
頼りない一人息子のもとに降臨。彼を見守るためにいつでも身近に居たいと思った
彼らが乗り移ったのは...部屋にある家具だった。
【観劇でーた】
1996.6.30 19:00-21:00 下北沢 ザ・スズナリ C列2番=前売り 立ち見あり、満席
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