【芝居】「情けないサボテンホリディ」P.E.C.T.
1996.1.25 19:00
横浜にずーっと住んでいるのに、意外に横浜の劇団って知らないのです。数少ない 横浜観劇の中でも、誰にでも薦められるのが、このP.E.C.T.です。いまのところ、 横浜でしか観られません。いいでしょ。
【みたままおもったまま】
今年旗揚げ6年目を迎えるP.E.C.T.は、湘南に拠点を持ち、横浜の劇場で活動する
劇団で。歌、音、光、役者たちが作り出す不思議な空間はリラックスできる
雰囲気。
よくある自分探し的なストーリーといえばそれまでですが、いい気持ちにさせてくれ るところは結構気に入ってたりします。目標を失ってしまった男のもがき だったり、忘れたい思い出に苛まれる女の憂鬱だったり、自分の位置を見失って しまったひとのけだるさだったり。
ときどき織り込まれる歌は、ボーカルを大切にする静かなメロディのものが 多く、ミュージカルにいまいちなじまないかわひらにも違和感はありません。 まさか小劇場の芝居でEPOの歌が聞けるたぁ思わなかったです。(ファンなのだ)
飛行機レースの実況を語りきるところは、アニメ・チキチキマシーン 猛レースにも似た感じ。スピードとパワーで楽しめます。
しかし、なによりもの魅力は役者たち。元・遊◎機械の中島浩をはじめとして 個性があって、力があります。流れ者を演じる石田穂津美は魅力的。歌手・リリィ を演じる松本美香の少しつぶれた声での歌はほんとうにいい感じ。 目標を失った男の石塚基光は多少クセがあるといえばありますが、力のある役者。 少年・少女を演じる女優たちも、素敵です。
客席で、異常に大きな声で笑う男の子。多分高校生。テレビじゃないんだからね。 ちょっと残念。芝居を観る側の問題もありますね。じっさい。
X字状に組まれた舞台は相鉄本多劇場の奥行きを生かしたもの。無国籍風だけれども 冷たくはない感じ。ラストシーン、びっくり。おたのしみに。おすすめ。 横浜観光でも兼ねて、いかがですか?
【ものがたり】
砂漠の真ん中にあるホテル・ドゥ・サボテンホリディは年1回の飛行機レース
の間だけ開業するホテル。レース草々に墜落した男たちとか、流浪して流れついた
奴とか、さまざまな人々の出入り。さそりの出る砂漠のホテル、怪しい主人。
【補足】
「96年最初で最後の劇場公演!」を銘打つのには訳があります。5月から、ほぼ半年に
わたって100ステージ、カフェレストランでの連続公演が企画されています。
●P.E.C.T. 9th presents 情けないサボテンホリディ 完全改訂版
1995.1.25 - 1.28 横浜 相鉄本多劇場
構成 日々野克己 演出 中島浩
出演 石田穂津美 石塚基光 中村智弓 大菊京子 松本美香 立石徹 山崎ルキノ 青木珠美 石川裕之 中嶋浩
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