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1995.08.25

【芝居】「偶然の産物」P.E.C.T.

1995.8.25 19:00

横浜に住んでいながら相鉄本多劇場に足を運ぶのは初めてです。けっこうアタリの 芝居でした。会社帰りに寄れる劇場なので、平日でも観劇できる。楽しみが増えました。 P.E.C.T.はパンフレットによれば5周年を迎える湘南の劇団。

【みたまま、おもったまま】
気持ちのいい生演奏から始まります。それに随所に盛り込まれるサルサのリズム。 音楽がほんとうに気持ちいい。歌も何カ所かで歌われますが、かならずしも 全員がうまい訳ではないのが悲しいところ。女優陣は結構うまいのですが.. ただ、中島浩がアカペラで歌う歌は、なんか涙が出てきそうになります。

笑いをとろうとしてるのかどうなのか、「渚ひかる」という鼻持ちならない 少年を登場させたり、結ばれ得る謎の恋人キントト&ウララを出したりしています。 これ、ない方がずっとすっきりすると思います。笑いといってもそれほど取れている わけではないですし。直球だけで勝負しても、結構いけそうなのですが。

精霊を思わせる少女2人、ルシータ(石田穂津美-二役)とマルガリータ(大菊京子-四役) が出てきます。フランス語(..たぶん)のセリフを10分にも渡ってしゃべるのだから、 恐れ入ります。でたらめだとしても、凄い。 この少女のシーンがとても素敵です。臆病なルシータと、たぶん姉なので しょうか、ルシータをかわいがるマルガリータ。可憐で、可愛いくて。とっても 幸せな気分に。石田穂津美さんの二役は、まったく違うタイプなのですが 見事です。大好き。

背中がかゆくなるようなストレートなセリフがいくつも出てきますが、 時間がゆったりと流れる南の島、あまりにゆったりと流れる時間のせいで 普段考えないようなことまで考えてしまう、という逃げ道が用意してあるので 鼻持ちならない、という状態を上手に避けています。

【ものがたり】
南国ロケにやってきた映画撮影の一行。セットの下から出てきた遺跡のせいで 撮影は中止に。運悪く帰国の飛行機に乗り損なった3人の女性スタッフ (松本美香、山崎ルキノ、青木珠美)とプロデューサ(中島浩)。生意気な 少年俳優(中村智弓)と父(小松杏里)。宝石の素材を探し歩く女性(大菊京子) や遺跡を発掘した考古学者(石田穂津美)をまじえながら、いつやってくるか わからない次の飛行機を待つ間、ゆったりと流れる時間の中で、 自分を見つめ直して..元気になる..。それは、精霊の悪戯なのか

●P.E.C.T. 第8回公演 偶然の産物.. le Paradis du trois jours
構成・脚色 日々野 克己  演出 中島 浩
出演 中島 浩 松本美香 山崎ルキノ 青木珠美 石田穂津美    大菊京子 中村智弓 坂本翼 本間明人 田村一行    小松杏里(月光舎)
高橋マリ(cl.) 川崎貴人(p.) 熊井智(b./g.) 井上和彦(b) 小日向一浩(g.)

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