【芝居】「火宅か修羅か」青年団
1995.6.11 19:00
公演最後の日曜日。超満員でした。静かな芝居ゆえ、冷房も止められて しまった客席。芝居の静かな進行とはまったく反対の、熱気に満ちた 客席でした。(アタシが暑さに弱いだけ、かも)
当日券でしたが、スタッフの方々の指示も完璧で、気持ちよく観ることが できたことに、まずは感謝。
【ものがたり】
海の見える古い旅館のロビー。ここに住み着いた小説家をたずねて
来た3人の娘たち。旅館ではとある高校のボート部のOB会が久しぶりに
行われている。まったく関係のないような、2つのグループの人々。
小説家の妻が亡くなって13年目。ボート部も13年前にメンバーの
一人を事故で失ったという過去。
偶然のめぐりあわせ、触れ合う二つの糸。
【感想】
平田オリザさんの手による芝居を観るのは、「転校生」「わが街池袋」に
続いて3本目になります。青年団の芝居、という意味では初見です。
劇場に入ったときの木の匂い、太い柱でがっしりとした感じの梁。 安心するというか、いい気持ちです。
座席は上手側の端だったのですが、この2列ほどは舞台のいちばん上手に ある座席が見えません。声で察しはつくのですが、けっこうここで行われる 芝居が多いのと、登場人物が顔を見せる最初の場所だけに、ちょっと残念 でした。
三女役の渡辺香奈さんは去年の青山演劇フェスティバル以来2回目。 ちょっと固いかな、と感じないこともないのですが、意図的にそうして いるようにも見えます。ちょっと不思議な感覚です。
お気に入りは、アタシにしてはめずらしく男性の、志賀廣太郎さん。 声がものすごく素敵です。かっこいい。昔の邦画には確かにあったはずの、ゆったりとした時間の流れ。この 芝居が違和感なく感じられるのは、旅館という一種「非日常」の場所だから なのかもしれません。セコセコしてしまっている自分を発見できました。
【観劇ノート】
1995.6.11 19:00- こまばアゴラ劇場 当日券 上手側端・中央
●青年団「火宅か修羅か」
1995.5.6 - 5.7 利賀山房
1995.5.18 - 6.12 東京・こまばアゴラ劇場
作・演出 平田オリザ
出演 志賀廣太郎 山村崇子 安部聡子 角舘玲奈 渡辺香奈 和田江理子 横田修 山内健司 田中ひろし 足立誠 平田陽子 志磨真実 松田弘子 辻郷知子 田村みずほ 広瀬由美子 大木透 下村大輔 坂本和彦 高辻恵子
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