【芝居】「友情」トリケラトプスの会
2026.6.14 14:00
[CoRich]
イタリアの劇作家デ・フィリッポ(wikipedia)の1952年作を上演。ワタシは初見です。国会図書館のデジタルコレクション(世界文学大系 第95 (現代劇集), 筑摩書房, 1965)で無料で読むことができるごく短い一本。55分。6月14日までベイサイドスタジオ。
老いてもう先は長くないと考えた男は医者から進められた転地療養のため、娘とともに遠く山小屋にこもって暮らしている。ほぼ友人たちとも疎遠になっている。 ある日、忠実な友人がやっとの思いで訪れるが、会いたくないと言われてしまう。しかし亡くなった伯母に会いたがっているという話を聞きつけ、伯母のふりをして会おうと考える。
原作では男と妹という設定を今作では(おそらく役者に合わせて)娘に設定されていますし、元は水だったものを三ツ矢サイダーにしてみたりと、ちょこちょこ現代的に変えてはあるものの、大筋ではほぼ原作通りに進む物語ということを、デジタルコレクションで読んでみてビックリするワタシです。
もう死にそうな男と娘(妹)、そこに友情を感じてわざわざ訪ねてくる友人という枠組み。訪ねてきたのに会いたくないとまで言われ、無理難題を押しつけられて困りながらもそれを受け入れてこなし、友情を信じている友人だけれど、物語としてみてしまえば救いのない終幕は、シンプルで不条理な後味ですが、そこまでをどれだけ喜劇に仕立てられるかということが成否を握っていて、それは今作では成功していると感じるワタシです。短編だからこそギュッと濃密になっているのがとてもいいのです。
父親を演じた猪股俊明は、死にそうなのに無茶を言うという老人をどこか愛嬌を持ちつつ。娘を演じた田崎小春は父に成り代わり無茶を言うヒールっぽさなんだけれど、数々の無茶振りにちょっと素が見え隠れするのはこの劇場の規模だからの至福、ちょっと嬉しく。無茶振りされる男を演じた井上英行は、こういう困らせられる男を演じるとホントに魅力的で唯一無二なのです。


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