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2018.10.02

【芝居】「うれてるものにごあいさつ」ワタリダロケットとミユキーズ

2018.9.23 14:00 [CoRich]

女優・岡本みゆきと、俳優・織田裕之によるそれぞれのユニットの名前を冠した企画公演。 70分。23日まで神奈川県立青少年センター 2F HIKARI。

屋根のあるバス停、バスが発車した直後にスーツケースを牽いた女が駆け込んでくるが間に合わない。暑い夏の日。あと1時間はバスは来ない。自動販売機を見つけるが、小銭がなくて飲み物が買えない。
若い女と若くない男が来るが、女は機嫌が悪い。二人は夫婦で、夫は知人の葬儀にでるため地元に妻を連れてきた。
若くない男女も現れる。この二人も夫婦で、妻は同じ葬儀に出るために夫を連れて地元に来た。地元の二人は幼なじみだ。昨晩、妻が宿に戻ってこなかったことを夫は気にしている。 葬儀の翌日、帰るためのバスを待っている人々。

二組の夫婦と、もう一人の水商売な女がゴドーならぬバスを待つ1時間強。暑い夏の日差し、かろうじて屋根と少し離れた自販機だけのバス停。気まずくてもあまり離れられず、まったく他人というわけでもない微妙な距離感の5人。 地元の幼なじみの男女。男は若い妻を迎えてウハウハかと思いきや、ものすごく気を使い機嫌をとるし、ちゃんと愛しているし。女はちょっと気が強そうだけれど、夫のことは愛しているし、夫は帰ってこない妻に焼き餅を焼くぐらいに妻を愛していて。爆発するような恋心という時期はとうに過ぎ、しかし嫌というわけではない距離感で偶発的に出会って(それが葬儀というのも若くない人々っぽい)かつての恋人だった二人が思い出をなぞりながら歩くうちに燃え上がるというよりはちょっと昔が蘇り確かめてみたくなった気持ちの一夜、という感じだし、それを声高に避難する夫も後ろめたいだめ中年。だめな人を避難するでもなく、そのままの人として描くこと、少しばかりのほろ苦さと、記憶の向こうの甘酸っぱさと。

次のバスが来て、残されたのは幼なじみの二人、こんなことがあってもそれで何かが変わるのか、でもたぶん変わらないんだろうなとワタシは思ったりするんだけどどうだろう。再びスーツケースで転ぶという終幕も、ひとまわりした感じで巧い。 一夜の盛り上がりに乗ってしまった幼なじみの男女、女を演じた岡本みゆきはクールな女を演じる事が多い役者ですが、クールに見えてその実一夜の盛り上がりというのがちょっといい。男を演じた織田裕之はひたすら腰が低く、人懐っこい造型で対比がいいペア。女の夫を演じたコヤマアキヒロもまたクールだけれどヤキモチ焼き、そのうえこちらもちょっと一夜の過ちの人間ぽさがいい塩梅で。男の若い妻を演じた丹羽亜友美は若くて元気で、しかし今作に置いては濃ゆい中年男女だちの間では子供っぽさすら感じさせるのは対比としてワンポイント。スーツケースの女を演じた環ゆらは半ば巻き込まれた感じ、ちょっとツクリモノっぽいコミカルさがリズムを作ります。

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