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2018.10.04

【イベント】「雨の濡らした夕月夜〜彩り続ける者達の傘〜」(月いちリーディング 2018/9)劇作家協会

2018.9.23 17:00 [CoRich]

すっかり開演時間を間違えていたワタシ、痛恨の30分遅れ。戯曲冒頭部のpdf公開で補足しつつ、YouTube公開を待っています(ごめんなさい)。

作詞作曲、小説家や料理人などものを作る人やアーティストを集めるシェアハウス。どこからか資金はでているが、ここで育って3ヶ月ぐらいで出て行く子が望まれている。外では雨、魚、銃弾などが降っている。が、恋人だった男が何かに気づいて出て行ったあとに書けなくなった小説家はそれでもここに住んでいる。
出て行った男の後にもう一人男が入居の為に訪れるが、何を作るかはこれから決めているのだという。そんなことは今までに例がなかった。
外で降っているものはいっそう悪くなり、人々は避難することになる。

わりと多くの人々。外でただならぬことが起こっている近未来だけれど、物語は閉じたこのコミュニティと家の中だけで描かれます。芸術と戦争のありかた、ということかもしれないけれど、それは明確には描かれず。 終演後のディスカッションの中で小田原に住む作家は箱根の噴火を経験したときに何かがが起こるかもしれないという不安のなかからも着想の一つだとあげています。物語の外側で起きていることの不安要素だけれど、その中でも繭のように守られ生きられる場所、という存在が物語の中心に据えたのかなと思います。

ミステリーめいたことはいっぱい散らばっているのだけれど、出て行った男が知ったこと、来た男の隠された目的、どういう目的でこの場所が維持されていて、どういうきっかけで出て行くのか、数年前に大失敗で終わったらしい東京オリンピックで何が起きたのか(これが凄く気になる。スピンオフで観たいぐらい)など多くの魅力的な謎はわりと細かく周辺を描く割に、何も明確にもされず解決しないままに物語は終わります。そういう意味ではミステリーとは違うもので、あくまでも背景で、物語が描くのは住んでいた人のありようの生きている姿かと思うのです。

終演後のディスカッションでは、わりと作家は「楽しい時間を観客に過ごして欲しい」ということをいい、演じた役者たちからはどういう流れで造型された人物かが戯曲の中から読み取りづらく苦労したような指摘がありました。さまざまな人々とさまざまな動きがあって、明確に物語としてスジがあるのは恋人が出て行ってからずっと書けないままここに居続けた作家が、最後に書いた文章が出版という形になったことぐらいで、ほかの人々にはあまり明確な物語が与えられていません。劇団という手持ちの役者の中では違う魅力がある可能性はありますが、リーディングで新たな役者たちと作り上げるという形の中ではその造型に苦労するということはよくわかります

群像劇として人々の点描なのか、こういう色んな事が起きている外を想像させることに主眼を置くのか、あるいは役者の魅力をみせるのか、なかなかどこに着目すればいいのかは観客としては迷うところ。切って捨てるにはあまりに魅力的な謎の数々をそれぞれの役者がきっちり演じることの楽しさという芝居の原点をも感じるアタシです。

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