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2018.07.28

【芝居】「お蘭、登場」シスカンパニー

2018.7.15 14:30 [CoRich]

シスカンパニーと北村想が日本文学へのリスペクトを込めてオリジナル戯曲を創作するシリーズの第五回。16日までシアタートラム。90分。

滝を目前に謎めいた女の怪盗を追いつめた探偵と警部が追ってきたこれまでの事件。富豪の家の地下で殺され行李の中に発見された男に怪盗の陰。かと思えば科学捜査研究室に送られた生首は見せ物で蝋化している。倉庫には椅子が二つ、探偵の妻がどちらかに閉じこめられているが探偵は一つを迷わず撃つ。怪盗が狙っているのは数々の冤罪で死んだ兄弟の敵討ち。

江戸川乱歩への敬意を基本に描いた第五作、なるほど小泉今日子が演じる怪盗は江戸川蘭子、明智小五郎ならぬアキチ小五郎(堤真一)とメグロ警部(高橋克実)。そういえばタイトルだって、乱歩の短編「お勢登場」(未見)からか。

作家が持つ多くの知識、検索ではなく、頭の中にあるさまざまな知識の体系と断片をぐるぐるとかき混ぜてつなぎ合わせるおもしろさ。アタシは正直ちょいとそのスノップな雰囲気が苦手なところがあったりするのですが、全体はエンタメ、そこに細かく混ぜていくという方法は口上がりが良く、人気の役者で演じられるステージは楽しいのです。

単にエンタメ、というにとどまらず、カノン進行と同様に江戸川乱歩にはランポコードともいうべきひとつのカタチがあるのだという軽快な、あるいは独自な視点も楽しいのです。あるいは役者に任されたアドリブパート、全体としては椅子カンパニーならぬ主催するシスカンパニーの北村社長とその所属俳優の駆け引きというか関係を、パワハラギリギリ、みたいな説明で爆笑を誘います。

怪盗・お蘭の動機になっているのは、冤罪で殺され、その敵討ちなのです。日本の冤罪率も事件数についてのデータを混ぜながら、社会に対する視線も忘れない作家なのです。

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