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2018.07.27

【芝居】「エンジェルボール」キャラメルボックス

2018.7.14 16:30 [CoRich]

飛騨俊吾の四巻からなる小説の前半部分をまずは舞台化。来演夏に後半の舞台化も発表されています。 16日までサンシャイン劇場。そのあと京都、広島。120分。

建設会社が倒産し地元因島に子供と戻った夫と子供、広島に勤める妻、野球が好きで、広島のチームが好きだったが、選手にはなれないまま歳を取り42歳になっている。野球部の同窓会の帰り、車にはねられて海に落ちるが、海底で天使に出会う。

ハマの番長こと三浦大輔の弟・三浦剛はキャラメルボックスのバイプレイヤーだけれど、意外にも初めての初演。木訥で、不器用な男を好演。 野球へのあこがれはあっても、生活のために働き家族の居る男。稼いでいる妻への引け目は、妻が別の男との方が幸せになると考えているかもしれないという疑心暗鬼。その中で起きる、奇跡の物語を演じます。

くすんだ生活を送る男が、天使からの授かり物・エンジェルボールで圧倒的な力を得るも、その使い方というかコンディションでその力の発揮も不安定なまま不慣れなプロ野球のマウンドを経験する、というながれ。前半とはいいながら、エンジェルボールが持つ闇を匂わせて来年夏の後半に繋げます。

今作だけに限って云えば、人物の造型を描き、ペナントレースのように多くの試合を走り続けるという男の骨格を描く事で終わってしまった印象。着地点を暗示しつつではあるので、その見えている着地点に向かって次をどう作るかは(原作未読ですが)、なかなかのハードル、という気がします。

謎めいた登場をした選手への取材をする女性記者、女性だからで近づけて言葉をとり、しかし出て行く記事はどちらの意図とも違う煽るような記事という取材者を描くのはもう一つの視点。女性だから近づけるとか、書いた記事が組み替えられても抗えないというのは、すこしばかりイマドキの現実に接している気はします。わりと敏感に反応してしまいがちな今のワタシですが、物語としてはそこを描くものではないので、意図的ではないにせよ、ちょっと肩すかしな感じは残ります。

42歳の剛速球投手を演じた三浦剛は人の良さがにじみ出るような造型が暖かい。大きな身体で振りかぶる投球のシーンもカッコイイ。その天使を演じた木村玲衣との身長差は結果としてはいい対比になっていて、ちょっとおしゃまで可愛らしい魅力。悪魔と契約したバッターを演じた鍛治本大樹のクールさ、しかし実況アナウンサー役のコミカルさとのコントラスト。その悪魔を演じた石森美咲はちょっとコミカルが勝るのはご愛敬。

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