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2018.02.08

【芝居】「神奈川かもめ短編演劇祭」(Bブロック)

2018.1.27 19:00 [CoRich]

Aブロックから日をあけてBブロック。120分。

新宿紀ノ国屋書店で人を待つ女、万引きGメンが呼び止める。夫と子供を待っているという。子供のできない夫婦の旅行、ガラパゴス島で突然夫は卵を産み、子供を育てるという。女は一足先に帰国し夫と子供を待っているという「彗星たちのスケルツォ」架空畳(かくうじょう)(東京)
家族についての実験をしてみせる。父母と息子、その妻と子供、息子の弟が暮らしている。妻は家を出て、数年後息子も亡くした夫は、一人歳をとり、犬を息子のようにかわいがっている。 「代案家庭生態報告書」劇団同感(韓国ソウル)
路面に毎日タンスを引いてやってくる男。札付きの息子が初めてやりたいといった飲食の勉強のため、その旅費を工面するために亡き妻と思い出の詰まったタンスを質入れするが、それだけでは足りず自分自身をも質入れした男、質屋がつぶれその跡地のこの路面で律儀にタンスといる男が一人語る。「ヨコハマ箪笥事情」theater 045 syndicate(横浜)
結婚前夜の男女。女は震災で亡くなった姉の婚約者と結婚することに決めた。「前夜」Gin's Bar(宮城)

「彗星たちのスケルツォ」は 圧倒的な台詞の量をぎゅっと圧縮して早口で。野田秀樹から柿につながる雰囲気をまとっていて、そういう意味では独特とか新しさということにはなりづらいところ、フォロアーというよりはむしろ作家が表現したいことをともかく詰め込んでいった結果たどりついたものだと感じるのです。 子供ができないこと、それをいまどき石女(うずめ)と呼ぶところにちょっと引っかかるアタシだけれど、夫が卵を産み子を育てるという強烈なファンタジーの振り幅の中で女の立ち位置を際立たせるには必要な強い印象の言葉ということかもしれません。

「代案家庭生態報告書」は どの部分が現実に近くてどの部分がファンタジーとして描いているところかわからないのは、韓国で生活をしていないアタシにはもちろん仕方のないところ。自分の乏しい知識を総動員してどういう社会の中で描かれていたか、ということを想像しながら観ることは、距離は近くても意外に知らない隣国に想いを馳せることで、普段と違う脳の領域を使って観る感じ。頭では儒教が強く、家庭の中で親や年上を敬いほぼ服従が当たり前という嫁(妻ではなく)への負担が極端に高いのだろうということが描かれる前半、嫁が出て行くということは相当なことだろう、というところまでは想像がつくのですが、後年、息子も若くして亡くし一人で年齢を重ねた男に押し寄せる孤独の描き方はちょっと独特で、どう読み解けばいいか戸惑いますが、それが楽しいアタシなのです。妻が居なければこういう老後が待っているという自業自得という感じなのかなぁ。

「ヨコハマ箪笥事情」は、10年演じ続けている演目だそうで、ずいぶん前に観たつもりだったけど、ワタシにはたったの7年前。 息子の為に妻との思い出の詰まった箪笥と共に自分自身も質入れするというぶっ飛んだ設定の割に、質屋が無くなってもその場所に居続ける男の律儀さ、そりゃ札付きだった息子だけれど、不器用に思い続けてきた7年、戻ってくる息子を本当に楽しみに待つ男の気持ちの奥行きなのです。 この演目、あちこち行って欲しいなぁ。路上でも観たいのも変わらないあたしの気持ちです。

「前夜」は宮城からの一本。若い役者に交替した新バージョンのようです。 震災とはいえ、本当は姉と結婚するはずだった男と添い遂げることに決めた女、本当に自分でいいのかと悩み、しかし姉が愛した男と離れがたい気持ち。改めて若い役者が演じるのは荒削りかもしれないけれど、こういう物語を世代を超えて伝え続けていくという心意気を感じるのです。ケーキの中からのサプライズ、なるほど前に進むための一歩、その結婚というキレイな結末なのです。

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