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2017.09.20

【芝居】「ハッピーママ、現る。」艶∞ポリス

2017.9.10 18:30 [CoRich]

11日まで駅前劇場。100分。

PTAの委員に選ばれた親たち。去年に続いて選ばれた委員長は、食育にからめた飼育やハーブの栽培など、熱意がある。昼に行われる委員会に出席するだけでも神経や体力をすり減らす委員たちもいるが、委員長は取り合わない。 会合に顔を出さない委員も気になるし、もうこんな活動に時間をとられるのがかなわないとも思っている

働く女性たちの現場での様々な人間模様を少しばかり意地の悪い目線で描くのが得意な作家ですが、今作は「子育てする母親たちへの賛歌」と銘打ち、しかし人々をコミカルに描くのです。

働く母親も多くなってる時代、昼の開催を続けたり、豚の飼育を新たに始めようという思いつきの提案をする委員長。物語の端々でそれは主婦であり、議員の妻でそれなりに裕福だという背景が語られますが、委員全体に対して高圧的で、気にくわなければ子供の交友関係にも影響するなど、ヒールとして描かれます。新参者の若い母親はフルタイムで働くこと自体を詰られる理不尽さ。他の親たちもそれぞれに子供のこと経済的な弱みなども描かれて。 メンバーの一人の母親は精神を病み姿を現すことがなく、それを強く責める委員長の前に現れたのは父親の方で、それは明確に子供へのいじめをなんとかしようという意志を持って現れ、委員長と火花を散らして対峙します。豚を飼うことを請け負ってしまうというのは喧嘩の末とはいえ、ちょっといい落としところ。

こう書くと社会派な感じも受けますが、全体の作りはコメディで、イベリコ豚を飼育しようとか、運動会の費用の紛失など、なかなかに無茶な展開があったり、応援にもりあがったりと明るい要素も存分に、実は軽いタッチだったりもするのです。

理不尽な委員長や時々いいことは云うけど調子のいい会長、あるいはそれぞれの一癖二癖ある人々の描写が目指すのは、もしかしたらPTA経験者あるある、という感じの共感という気がします。特定の誰かをヒーローのように頑張り屋に仕立てることもなく、どことなく予定調和な感じで流されてるんじゃないかというのも含めてそれは、母親たちの感じている理不尽さをデフォルメして描くことによって、「よくあること」の一つに落とし込むことで、現役の母親に寄り添うような雰囲気を感じたりもするのです。そういう意味では底意地の悪さという意味の切れ味はやや後退している印象もありますが、それはそれ、物語の特性ということかと思うのです。

母親たちへの寄り添いという点では、たとえば とりわけ、望まない妊娠に戸惑う女性教師とスナックで働く母親の二人のシーン。何人も子育てしてきて大変だけれどそれは、いいことが勝っていた、とまっすぐに言い切るのはこの作家の感じとしてはめずらしいけれど、なるほど、寄り添うということなのだなと思うのです。

ほぼ一人でヒールを背負う委員長を演じた関絵里子は、ラスボス感すら漂うけれど、端々にちょっと抜けた感じの茶目っ気の見え隠れ。理不尽に責められる若い母親を演じた藤村聖子はまさにベビーフェイス、しかしキャリアバリバリな感じもまたカッコイイ。すかりと母親という世代が似合うようになってきた異儀田夏葉は真実を語る人、というまっすぐな人物を好演。子供へのイジメを許さない父親を演じた鶴町憲は、子供を護る気持ちを強く訴える長い台詞が凄いのに、実に人懐っこいコミカルな一面の落差がいいのです。

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