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2017.07.17

【芝居】「たちばなきょうだい、と天使たち」FunIQ

2017.7.1 17:00 [CoRich]

俳優二人によるユニット。さまざまな作家の作品を上演する企画の第一段は競泳水着の上野友之の作演によるもの。2日までIto・M・Studio。95分。

イタリアンバルを始めたがうまくいかずガールズバーになった店。最初の店長は辞め、新婚の時から仕事を辞め一緒に店を立ち上げた男が店長になっている。元キャバ嬢、イラストレーター、フリーター、売れない女優などの店の雰囲気は和やかだが売り上げは悪く、たち行かなくなりつつあるいっぽう、妻とは冷え込み、店の女と恋仲になっている
店長の実家には十年引きこもっている兄が居るが、母親の入院を機に、部屋を出て、妹に連れられ店にやってきて、店で働くことになる。兄の貯金と、働きで店の経営は上向くようになったある日、元の店長がもう一度店を出すと誘いにくる。

男を主役にするのは珍しい印象の作家。懸命に生きてボチボチではあるが、やりたいことも諦めつつある日々。ずっとお荷物だと思っていた引きこもりの兄と暮らし始めることで見える転機、それなのに時を同じして昔の目標だった店のことの再度の挑戦のチャンス、妻とのどうにもならない関係、不倫の女。ずっと沈みっぱなしだった日々に突然現れるいくつもの選択肢、どれを選び取るかの分岐点。

仕事の誘いは断り、妻と別れるいっぽう、兄とのこの店を続け、恋人との関係を続ける選択をする男だけれど、恋人もまた人生の選択肢で新たな道を歩むことを決め、分かれることになるほろ苦さ。店こそ続きそうだけれど、女たちが店をやめつつあって、妹が働こうかという話しもある終幕。未来を感じさせるととることもできるけれど、商品である女性たちが入れ替わるわけで店がどうなっていくか、不穏も感じるアタシです。

引きこもりの兄は、見た目こそちょっと挙動不審だけれど、物語の要請とはいえ、わりと何でもこなすなど少々スーパーマンに過ぎるのではないかという気がしないでもありません。いっぽう、ガールズバーとなった現在を中心にしつつ、過去の場面をいくつか回想で登場させますが、明確な場面転換をしないでも、少し前に語られた「浴衣デー」の話から女性たちが浴衣で登場するだけで元の時間に戻る、など場面の転換は実にスマートでかっこいい。

店長であり弟を演じた辻貴大は苦悩しつづける役どころで少々重い語り口。引きこもりだった兄を演じた日比野線はそういう意味ではダサっぽいけれど軽やか。末っ子の妹を演じた綾乃彩は兄二人をみつめる冷静な視点。ガールズバーで働く女優志望を演じた鮎川桃果は、そのどちらもやれそうな美貌の説得力。元店長を演じた市原文太郎は、よくいえば再挑戦のバイタリティ、悪くいえばあまり反省してない感じの前向きさ、とはいえバイタリティ大事。

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