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2017.04.27

【芝居】「個性が強すぎるのかもしれない」艶∞ポリス

2017.4.21 19:30 [CoRich]

女性三人のユニット、艶∞ポリスの新作、25日まで90分。

バックヤードで空港の女性職員がカッターナイフで同僚の女性に切りかかる。不倫のどろどろの末、パイロットに体の関係を誘われたりしていた末に。
搭乗ゲート前。乗り遅れて次の便を待つ人々。アイドルグループの一人が不祥事を起こし国外脱出をはかっているが、マネージャは彼女にブスだと宣告しブスを売りにして国外で売り出そうと誘う。
飛行機マニアの冴えない女性に声をかける業界男はサプリを売りつけようとするが女の脳内では恋心が燃え上がる。
ゴシック衣装の男一人と女二人。女の一人は露骨に男に甘え、もう一人の女を殺すイキオイだ。

ウズベキスタン行きフライトにそれぞれのトラブルで乗り遅れた二組と二人が振り替え便に乗るまでの待ち時間を舞台に描きます。 冒頭と最後の各1シーンを除き、舞台上では逆順にシーンを進めます。終幕の直前は物語上での時間軸では人々が乗り遅れるシーン、冒頭はバックヤードのスタッフたちのブリーフィングの任侠沙汰、終幕直前はそれぞれの人々が振り替え便に搭乗するシーンになっています。物語の上の時間ではおおまかに1〜5というシーンが、舞台上では1→4→3→2→5と進む、という感じ。時間軸を遡るといえば、ついこの前に観た芝居を思い出しますが、あれほど緻密には依存関係を持たせずに、ゆるやかに逆順に見せています。実際のところ全体としてみると全体で大きな物語をつくるというよりは点描される「個性が強い」人々のそれぞれの物語の「あるある」や着眼で見せる主眼だと思います。なので万一時間軸を見失ってもそれほど大きな問題にならず、スタイリッシュで実は見やすいのです。

この劇団の作家が女たちを見つめる視線は少々底意地が悪いけれどコミカルなのは今作でも健在です。 たとえば序盤のバックヤードの任侠沙汰、不倫に疲れた女がちょっとあこがれてるパイロットの男はカラダ目当てというかセックスをしてそこからだ、という男でその恋人ではないけれどやけに馬の合っている同僚の女(作家が演じる)がちょっと鋭く、台詞にはなってないけれど三人で、みたいな関係を示唆してみたり。あるいは、カワイイが必然のアイドルグループの九等身美女にブスの頂点に立とうと誘ったり、飛行機好きすぎるイケてない女子がわかりやすすぎるぐらいに騙されてサプリを買わされたり。あるいは、マイナーバンドを海外まで追いかける男1×女2のグループには男が実はスリムな女と二人で旅行したいのに太った女がついてきたけどパスポートをどうにかすれば二人きりで行けるんじゃないかという邪心の結果で、実は女二人は男の邪心に翻弄されてる、ということだったり。

正直に云えば、高校生に戻ったいわゆる回想シーンを入れる理由はよくわかりません。時間軸を遡る途中に突然入るこのシーンは人物の背景を描いてはいるし、衣装を替えてちょっと面白い感じではあるけれど、場面として孤立してしまってちょっと勿体ない気がします。あるいはそれぞれの時間で登場するキックボードの女、服も鮮やかで目立って意味深なのだけどワタシには読み取れず。

冒頭、4人の男女の色恋沙汰から、少々インモラルな性癖を堂々とチラ見せしつつ目当ての相手を誘うシーン、やけにスリリングで印象的です。誘う男を演じた町田水城の絶倫な感じ、ただならぬしかし軽い関係を匂わせる温あを演じた岸本鮎佳は鼻につくつんとした造形も似合って。翻弄されるが心惹かれてしまう女を演じた川添美和は、しかしそれが男の従属ではなく自立の雰囲気を漂わせ魅力的。

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