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2017.04.09

【芝居】「幸福の黄色い10日後」キ上の空論

2017.4.1 14:30 [CoRich]

110分。もう一本の短編集「幸福の黄色い放課後」再演との交互上演で2日までサンモールスタジオ。

襲われる女、襲う男二人。かつて同級生の男を殴ったりもしているが、それはそれまでの鬱積が理由で。 告白して恋人となる男女、男は幼なじみに相談して、幼なじみがずっと持っていた恋心には気づかない。 妊婦は近所の女子高生を可愛がっているが、姪っ子がその同級生を悪く云う理由には気づいていない。

ショッキングな事件のシーンで幕を開けるけれど、そこを起点にして、時系列としてどんどん前のシーンをまるで逆回しのように描いていくというフォーマットで描きます。たとえば理由なく突然誰かが誰かを嫌っていたり、殴ったりするけれど、その理由は少しあとに、時系列として前のシーンを描くことでわかっていく、という流れ。歴史を教えるのに現在からさかのぼって理由を辿っていく、というやりかたがありますがそれと同じで、何かの出来事の理由を辿るように語る物語。説明がありませんから序盤こそ戸惑いますが、やがてそういう「流れ」が身につくと中盤ぐらいには、そういう構えで待ち受ける癖が付きますから、それほど大きな問題にはなりません。

とはいえ、単に映像を巻き戻すのではなく、言葉を伴ってシーンを逆順に辿るということの難しさは、細かな単位に区切って演じ、そこから前の時間に巻き戻ってまた再生、みたいな繰り返しなのです。その空隙を意識させないようにスムーズに繋いでいるせいか、実はシーンがどこで切り替わったのかがわかりにくいところはあります。

フォーマットの面白さを排除して時系列に並び替えて考えてみると、ちょっとヤンキー気味にスクールカーストを強調した高校生たちの日々というか格差というか。スクールカーストの残酷な現実、もちろん理由は見えるけれど、スクールカースト上位、偏見込みで云えば乱暴で粗雑でセックスもして子供もできてというまあリア充な人々にも、かといってバットを振り回すほどの目にも幸いにも遭わなかったので、実は登場人物にそこまでは気持ちが入らないアタシです。年代かもしれないけれど、「桐島、部活やめるってよ」はもっと身に迫るように感じたのはたまたま今の、アタシの気分のことかもしれないけれど。

とはいえ、たとえば口紅を付けてる理由、フランスに移住するといった女子高生の本当の背景とそれを知っているのに明かさなかった友人の心、近所の知り合いの女子高生を妹同然に可愛がっている妊婦に対して姪っ子がその女子高生を悪く云うことと、その理由を明かさなかったことなど。知っていることと云わないことを多重に組み合わせて奥行きをぐっと広げる手法として巧いなと思わせるのです。

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