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2017.03.15

【イベント】「逮捕(仮)」(月いちリーディング / 17年3月)劇作家協会

2017.3.4 18:00 [CoRich]

2012年にシアターグリーンと中井美穂による企画公演として実施された「落語」を題材にしたショーケース企画での上演作を、今年のリブート再演に向けてのブラッシュアップ。座・高円寺 稽古場にて。本編60分ほど。本編、ディスカッションの録画があります。

噺家の師匠が妻の妹に暴行を加えたとして逮捕された。弟子たちも一番下の一人以外は逃げてしまった。間近に迫った一門会は無理かと思われたが妻と捜査に来た警官の奇跡的な頑張りで乗り越えた。妻の妹は弟子を誘いあのときの再現をしてみせるが、弟子はそれに師匠の姿を重ね果てる。家を引き払おうというその時、妻の妹はほんとうは暴行を受けていないのだと告白する。

噺家自身は登場せず、その妻とその妹、一番若い弟子、警官という四人の芝居。妻の妹が噺家に対して実はかなり想い入れているのにもかかわらず、結婚してしまった姉のとの距離感をめぐる構造。暴行を受け引退に追い込まれる噺家だけれど、それはもう最近は高座もままならなかった噺家を引退させるための一芝居だった、ということかと思います。暴行という物騒な幕開けにもかかわらず、わりといい話に着地させようという感じか。

ろりえ、というよりは作家・奥山雄太の描く世界はやたらに長かったり、コミカルさのバランスが実は少し苦手なワタシです。今作においてもわりとその印象は変わらなくて、四人の人物の気持ちの動きが唐突だったり、なのに元ストリッパーとか、落語の存在自体を知らないのにやってみせたら天才的に巧い警官など、短い芝居に物語には貢献しない枝葉を詰め込み、という感じがちょっともったいない感じがします。

ブラッシュアップの議論を通じて思ったのは、この軽い物語を実に大まじめに作っているということはよくわかるのです。観客との対話というか議論も実にスムーズだし質問への受け答えも実に真っ当。劇作家だとしても必ずしも議論の対話が巧い人ばかりではないk、というのはこのリーディングでいくつか目にしてることだけれど、今回の議論はそういう意味の苛つきは皆無なのです。

議論になったところの多くは、暴行・レイプという題材の扱いでそのわりにけろりとしている女性という人物造形の説得力の無さだったり、その題材ゆえに、実は作家が語りたいコミカルで人情溢れる物語に入り込めないと感じる観客が一定数いるということでした。それもきちんと伝わる感じ。は議論の醍醐味。ゲスト・柴幸男はそれをホワイトボードまで持ち出して分析し、「暴行事件の起きた直後」「そんな中でも開催する一門会のバタバタ」「一門会直後の夜」「後日談」で二番目が分断の原因で、それなのに二番目がそれなりに長くて面白い。抜けば簡単だけどそれじゃ作家の個性だと思うので順番を変える提案。(議論の90分ぐらいのところ)。実に判りやすくて、一目瞭然。

落語の巧い警官を演じた清水伸は、パワフルに押し切っていて好印象。劇団の公演では堀越涼が演じたという話しを耳にして、なるほどそれは役者の特性に依っているのだという印象を持つアタシです。

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