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2016.11.01

【芝居】「まぁ なんてまん丸いお月様なんだろう」A.I.Yプランニング

2016.10.23 17:00 [CoRich]

45分。23日までシアターグリーンBASEシアター。

突然姿を消して5年が経った父親を捜して、娘が山道を歩いている。月の石を売っているインチキ商売をしていると父親が写っていた写真から場所を捜し当てたのだ。父親が居なくなってから家族の運気は上がり母親は金持ちの恋人を見つけ、弟はプロ野球選手になっているが、キャバ嬢で稼ぎ叶いそうもない声優への夢のためにレッスンを受けているが、上昇気流にのれなかった。 母親は次の結婚を成功させるために夫には二度と現れて欲しくないが、娘は一人上昇から取り越されていて、父には帰ってきてほしい。

山道のどこか、ダッチワイフに月の石、女子高生の制服を着て来る女、どことなく序盤の感じが別役実っぽい感じもして、いろいろ不条理っぽさも見え隠れする開演。イマドキっぽく、ネットで見つけた写真で場所を同定するみたいなことや、声優に憬れるみたいなことも盛り込まれていて、まさに現在の芝居なのだけれど、物語の骨組みは、懐かしく昭和の香り。

不条理っぽい状況から何年もの間別れていた二人の関係を描くけれど、舞台には登場しない母親や弟が分かれた時とはすっかり変化してしまっていることと、あきらかにそれからは取り残されてしまった舞台上の二人というもう一つの対比が奥行きを創り出します。その中で語られる二人の関係。上昇気流に乗れない情けないアタシ、という気持ちで来た娘。身勝手な父親だけれど会いたいと思う気持ち。

父親は父親で捨てられていたダッチワイフを拾い上げてしまったがために気がつけばこんな状況の可笑しさもいい。父親は娘のことが大好きだけど、なんかちょっとずれた好意の見せ方みたいなのは、「お父さん」っぽくて微笑ましいのです。不条理から関係がどんどん明らかになり、娘が少し前向きになって山を下りるまでがこんなに濃密なのにたった45分。がっつり芝居を観た、という満足感が得られる一本なのです。

並べた「月の石」とベンチとダッチワイフ、ごくコンパクトでポータブル。色んな場所に持って行けそうな、あるいはいろんな人々による上演も面白そうだなぁと思うのです。

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