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2016.07.05

【芝居】「筋書ナシコ」ラッパ屋

2016.6.26 13:00 [CoRich] 久々に拝見したラッパ屋。安心感に溢れ、親しみやすい舞台。 26日まで110分。

雑誌出版社のパーティ。情報誌の厳しさはここも例外ではない。パーティの最後に控える重大発表に向けて、社長は出資者と、専務は新事業のための物件へぎりぎりの交渉を続けている。パーティに出席していたライターのアラフォー女に声をかけたのは、同じビルで婚活パーティを開いている熟年富裕層の男たちだった。

フリーランスのライター二人をメインに据えて、バツイチとか恋とか結婚とかのドタバタ喜劇かと思えばそうでもなくて、カツカツの会社経営をしている社長や専務といったいい歳の男たちの奮闘だったり、あるいは悠々自適ではあるけれど恋がままならないおじさんだったり、いい歳をして、いろんな方向でままならない人々をコミカルに描きます。

年齢を重ねてからの危うい恋心、年下男にときめく気持ち、若く見せようとしているけれどなんか空回りしてる風、細かくはブランド物の紙バックを大事に使ってたり飴ちゃんの安心感だったりと、細かい部分に「ありそう」なものを山ほどトッピングしますが、物語全体の大枠でいえば、会社存続のためのドタバタのあげくに、偶然振って沸いた金で助かるわけで、そういう意味では完全なファンタジーなのです。もっとも、あり得ない恋心が成就してみたり、ラッパ屋の根幹をなしているのは、じつはそういう「どたばたの末に天から授けられる、というファンタジー」だと思うあたしは、そういう意味ではラッパ屋らしい一本なのだと思うのです。

地方の金持ちが文化的な香りに憧れ、少々焦るというのは、ワタシには今一つピンとこないけれど、もしかしたらこれもリアリティの一つかもしれません。金は出すけれども口も出し、クリエイター気取りの息子をごり押しする感じは、この物語の中では唯一のヒールであることが徹底しているのは、なにか思うところがあるのか、明確な主張をしてるようで、物語の中では少しバランスが独特な印象があります。

ラストシーン、アラフォー女ふたりが腕を組み、そろって消えていくシーンがとても前向きでかっこいい。そろって一回だけ尻を振るのも、まだまだ先に進むのだという勢いと喜びのようなものが後ろ姿で表現され得ていて、チャーミングで、しかもかっこいい。

岩橋道子がアラフォーを演じるようになったかと感慨深い。とてもよい年齢を重ねたサバサバしたキャラクタで好演。その友人を演じた谷川清美のおばちゃん感もまた、いい年齢の重ね方。社長を演じた俵木藤汰はもう一人の主役という感じでもあって、オジサンの真剣さがカッコイイ。金持ちをコミカルに演じた松村武はツクリモノ感が凄くて印象に残ります。

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