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2016.07.28

【芝居】「ま○この話~あるいはヴァギナ・モノローグス~」On7

2016.7.17 18:00 [CoRich]

どこかのリーディングで見た気がするのだけれど、記録が見つかりません。無念。120分。18日までKAAT・神奈川芸術劇場・大スタジオ。

夫はソルのが好きだった「毛/Hair」
ドライブのデートでキスされた私、シートを「大洪水/ The Flood」
女性が自分の身体に向き合う「ヴァギナ・ワークショップ / Tha Vagina Workshop」
それまでそんなに好きじゃなかったけれど、「彼がまじまじ見るから / Because He looked at it」
女優達がそれぞれに叫んだり語ったり「おまんこ様はお怒りである / My Angry Vagina」
戦争の村での女たち「私のヴァギナ、私の村 / My Vagina is My Village」
いろんな物に名前を付けるのが好きで、名前が付くと自分のものになった気がする「”ヴァルヴァ・クラブ”改め、ミホトの会 / The Valuva Club」
小さな時から、いろんなことがその女の子には起きる「まけるな!ちっちゃなクウーチ・スノーチャ / The Little Coochi Snorcher That Cloud」
高給取りだったのに、その仕事についた女「ヴァギナを喜ばせし女 / The Woman who Loved to Make Vaginas Happy」 初版ではなかった、そうだ。「私はそこにいました / I was there in the room」

女性たち自身の性器についてインタビューを中心に組み上げた短編で紡ぎます。ほんとに可愛らしいことから、真っ直ぐに向き合ったり、はては暴力の標的となることなど、おそらくは人それぞれの考えや体験、それが自身に及ぼした影響はさまざまで、簡単には括ることは出来ないのだけれど。考えさせる、ということはもちろんその通りだけれど、大爆笑が挟まったり、華やかなシーンや、色っぽいシーンもてんこ盛りで、いろいろに楽しいのです。

オープニングはドレスに身を包んだ女たちが登場し、ヒール靴を高く投げ上げてそれぞれへの着替え。ここで既に格好良くて、あっという間に彼女たちの虜になってしまうのです。ドレッシーな靴も服も女たちを美しくするけれど、それはまた女たちを縛るような側面がある、というシンプルな事実をこの短時間でしっかりと印象づけます。それに続く、この芝居の前書きのような台詞はこれがどういう芝居か、という口上になっています。

「毛」は軽いジャブのように、あの場所に纏わる、ちょっと幸せを感じさせるような、しかし恥ずかしさもある語り口。
「大洪水」は、老齢の女性の若い頃、幸せなデートの筈がちょっとした失敗。男の無理解を描きつつ、しかしそれがトラウマになってしまったことの深刻さ。
「〜ワークショップ」はオーガズムの経験のある女性たちに共通していたワークショップ、という前触れで、それぞれ自分の性器を鏡などで見たりするという経験。色んな椅子を男に見立ててセックスするような描写も楽しい。「彼が〜」は、ワークショップに繋がるようで、その存在を見て貰ったら、そこが好きになった、というのが幸せな感じ。演じた小暮智美の可愛らしさ。

女優たち自身の言葉で語る「〜お怒りである」は、顔見世のようで楽しい。産婦人科のあの機材が酷い(尾身美詞0とか、Tバックは何のため(渋谷はるか)とか、唯一既婚なのに(小暮智美)とか、相性だけの問題なのか(保亜美)とか、生理のこと(宮山知衣)とか、呼び名をつけたい(安藤瞳)とか、独身子無しを可哀想と云うな(吉田久美)とか。 それぞれの主張がほんとうに彼女たち自身のリアルな姿なのかはわからないけれど、大爆笑もさそいつつ、圧巻の盛り上がり。

強いコントラストのように路線の違う「〜私の村」は悲惨な目に遭う女の話で、戦争に巻き込まれた村の話の重さ。「〜ミホトの会」は古事記にある「ミホト」(wikipedia)という代替する言葉を見つけた翻訳者(谷賢一)の勝利。名前をつけることで自分のものになる、という感覚はなんとなく共感できる感じ。 CTWの音楽とともに始まる「〜スノーチャ」は一人の女性の成長の過程を、その女性器にまつわる話だけを短くグラデーションのようにつなぎ合わせた話。いいことも悪いこともいろいろ起こるのだけれど、まけるな!、という言葉に集約される、応援する気持ちに溢れた一本・ 「〜喜ばせし女」は色っぽさ全開、ちょっと漫画っぽいぐらいにオーバーなのも楽しい。演じた尾身美詞がホントに格好良くて、色っぽくて惚れるのです。

「私は〜」は、ここまで自分にとっての、ということで進んできた同じ場所が、生命を生み出す場所でもあるということを改めて。どことなく、全体のトーンをフラットに戻されたような、綺麗な幕切れ。

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