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2015.02.22

【芝居】「penalty killing」風琴工房

2015.2.15 19:00 [CoRich]

18日まで、ザ・スズナリ。135分。

元は名門の実業団ながら廃部の危機を乗り越え市民チームとなった弱小アイスホッケーチーム。プレーオフ進出をかけた最後の試合、チームの柱となっていた男は今季限りでの引退を決めて監督に伝える。

元古河電工のHC栃木日光アイスバックスをモデルに決してメジャーとは言えないスポーツの決して強くはないチームの選手たちを描きます。選手が短いスパンで次々と入れ替わっていく特異な特徴を持つスポーツのルールや用語を説明しながら、物語の前半はそれぞれの選手たちとチームの置かれた上京を点描します。 第一線を続けるベテラン、伝説の選手だけれどもう活躍はできていない男、鉄壁を誇り尊敬を集めるGK、中堅はクール風だったり、大きな身体でノミの心臓だったり、小さい身体で圧倒的な動きだったり。あるいは憧れの選手と居るだけで舞い上がるルーキーや、同期の中で抜かれていくことだったり。

後半はプレーオフをかけた最後の試合。レーザーとオーロラビジョンよろしくカッコいい紹介とともに入場した選手たちが始める「試合」。もちろんスケートを履くわけでもパックを打ち合うわけでもありませんが、ダンスだったりあの手この手の動きで、プレーを描写していきます。前半で描かれたそれぞれの選手たちの背景が、試合の中で交差し、14名の選手と監督の想いが、この試合にぎゅうっと詰め込まれているのです。圧巻のスピードで、終演後にはまるでスポーツを見ていたかのように感じたのはアタシばかりではないようで、観客席に見かけた友人たちの興奮する姿。

少々無茶とも思える大人数だし、それぞれの背景を丁寧に描くために全体として少々長くなってしまっているのは事実だけれど、それでも描ききってるのはたいしたものだし、体感時間はあっというま、なによりも試合をしている一つのチームをきっちり描いているという満腹感。

なにより、風琴工房の常連を含む役者たちの魅力。決して身体能力の高い役者ばかりではないけれど、それぞれにきっちりステージを用意した作演の想いもまた嬉しく。

引退を決めたベテランを演じた杉木隆幸の落ち着いた魅力に、終盤の格好良さ。可愛らしいのに喧嘩っぱやいチワワスタイル・野田裕貴は身体のキレの圧巻。 鉄壁のGKを演じた森下亮は普段の雰囲気とは一変する男っぽさが魅力。 終演後のトークショーによれば、本当にかつてアイスホッケーのプロ選手だったという粟野史浩のがたいの良さと説得力。

スズナリの客席を対面に配置、その真ん中に白く輝くホッケーリンク。大きさもずいぶん違うしなにより本物とは違う円形に設定したことで濃密な空間と、スピード感あふれる舞台をつくるのに成功しています。モデルとなったアイスバックスのチームカラーのオレンジのシャツで客席に座る観客も何人も。劇場に入った瞬間にわくわくする感じがまたいいなと思うのです。

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