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2015.02.05

【芝居】「肥後系 雪燈篭」あやめ十八番(APOFEC 2015)

2015.1.28 21:00 [CoRich]

5周年を迎えたAPOCシアターのひとり芝居フェス(1.16-2.1)。60分。あやめ十八番の大森茉利子の回は18日18:30、20日18:00、28日21:00。平日21時開演で短めな上演時間という形態が嬉しい。

奄美。五年ぶりに故郷に戻ってきた女。両親を亡くしていた女はばあちゃんに、一緒に連れてきた男を紹介する。
東京の華やかな生活に憧れ芸妓になるために奄美から上京した女。元気一杯で音痴で、どじばかりで芸者としてはいまいちだったけれど、あるお座敷で出会った大きな会社の「会長」と恋仲になった。が、男は亡くなり、女は一人、その霊とともに故郷に戻ってきたのだ。

この世のものではないものの物語。不倫してずいぶん年上の男と恋仲になった女に見えていたもの。和服に演台つきの講談めいた口調の一人語りという形式を取りますが、三線の演奏者が唄も歌うというのは一人芝居、というレギュレーションではギリギリセーフなところを巧く狙ったなと思います。

芸妓に憬れた若い女の子、奄美からイキナリ憬れて状況というのはリアルとはいえないけれど、そこをあっさりうっちゃって、唄も上手くなければ器用でもないし、ドジばかりという一人の若い女が大宴会をきっかけにダブルスコア以上の男に見そめられ、愛人という立場に甘んじつつも、おとこ亡き後、地元に戻る時にはその男の亡霊を連れていくという枠組み。初恋から未亡人までの期間がわずか5年という早送りの構造だけれど、たとえば宴会でしくじったけれど見初められる、というシーンに多めに時間を割くというメリハリがうまく効いています。

そこまで語られていた物語の外側に、演者自身がこの物語に繋がる人物なのだ、という語り口。もちろんそれはある程度まで女優がもつ背景ではありつつ、虚構と読むべきだけれど、 今も亡き父の姿を垣間見るのは、そのこの世のものではないものが見えてしまう血では、と匂わせることで、短い時間の中で物語を大切に包む幾重もの厚みを創り出すことには成功しています。 もっとも、役者ではない語り手自身の物語という体裁をとりつつ虚構で物語を包むというのは、あやめ十八番の語り口で、うまいフォーマットを創り出したな、とおもうのです。

演じた女優・大森茉利子はオテモヤンな大声で器用に外す歌声も楽しいし、低く落ち着いた声にもきちんと説得力。ほとんど一人の人物だけれどその振り幅だってきちんとしかも地の文というかト書き的な説明のメリハリも巧い。

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