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2015.01.15

【芝居】「は?」艶∞ポリス

2015.1.10 14:00 [CoRich]

初の劇場公演なのだそうです。11日までOFF OFFシアター。90分。

デパ地下に入っている佃煮屋の新人店員はデパート社員や上司の評判もよくテナント全体の優秀店員に選ばれるが、同僚や隣のマカロン屋の若い女性店員たちの評判は悪く風俗で働いているという評判も立ちはじめた頃、無断で欠勤してしまう。それは仲がよかったはずの同僚が仕組んだものだった。同僚がとって代わり、優秀店員の座も手に入れ、社員に抜擢されかつての同僚たちに高圧的な態度をとるようになる。デパート社員の男たちからもそれぞれに言い寄られているが、そのことは徐々に全員に知れ渡る。
元々優秀店員の座に居た女は選ばれなかったことに不満を持っていて、ふとしたことで私語を客に指摘されたことに逆上して店内で暴れ始める。

マウンティングだったりデパート社員への激しい裏表の使い分けだったりなデパ地下店員を意地悪な語り口で描きます。風俗でも働いてるという噂をたてられた女はトイレ休憩からは30分も戻ってこないので同じテナントどころか、隣のテナントの店員からも嫌われていてという枠組みだけれど、その嫌われを加速し退職に追い込んでいる別の女は、はじめこそ控えめで乗し受けはいいし、周囲からも頼りにされているし、仕事も男もちゃんと手に入れようとして、のし上がるためにどんな手でも使うという野望まみれな造型の凄み。

アタシの友人の指摘どおり、殆どの人物の立ち位置やキャラクタが序盤と終盤で鮮やかに変化するのもいい作り方です。もっとも、全体に女は裏表があるし、男は女を口説くために存在していたりもするという意味ではそう作りが違うわけではないのですが、悪口を言い続ける、悪口を云ってたけれどやめる、仲よさそうだけれど、トロいのに腹を立てる、悪口言われそうだとびくびくしてるけれど、すぐネットに書いてしまうなど、バリエーションが豊富で観客の誰もが自分にもありそうだし、知ってるアイツにも似ていてフックするようになっています。

細かなそれぞれの人間の造型に加えて、最初は男だけで固められているデパート社員に、一人だけ女性がのし上がる、という構造も巧い。それは嫉妬を生むし、当の本人だってそれまでの同僚や先輩に対しての態度が豹変するので、観客の誰から見ても同情し得ないヒールとしてきっちり機能するのです。

のし上がる女を演じた竹田りさの、大人しそうなふりしてあの娘わりとやるもんだねと云われ続けるのはきっちりヒール、演じきる凄み。それが蹴落とした女は実は登場しないというギミックもいい。佃煮屋の店長を演じた木戸雅美のガハハな親分肌はカッコイイ。 作家を兼ねる岸本鮎佳はクールビューティーだけれど、彼女がこんなに意地悪な人間観察をして、きっちり物語として作り上げる凄さ。ネット依存でややコミュ障気味な女を演じた井上晴賀は、怯える感じも凄いことが起きたのをすぐ書いちゃう浅はかな感じも、表情とくに目力の変化に印象を残すのです。

正直にいえば、(これもワタシの友人がいってることだけれど、まったく同意見なアタシ)、終盤暴れはじめてからは惜しさが否めません。広げた風呂敷をどう畳むか、ということなんだけれど、わちゃわちゃと大騒ぎにしてというのはあんまり巧い感じではありません。とはいえ、どうまとめるのが正しいかと云えないワタシなので偉そうなことはいえないのですが。

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