« 【芝居】「醜い男」冨士山アネット | トップページ | 【芝居】「ヒヨコマメスープの味」もじゃもじゃ頭とへらへら眼鏡 »

2014.09.19

【芝居】「姦〜よこしま〜」ロ字ック

2014.9.14 17:00 [CoRich]

女優三人による企画公演。外部の作演による二本と、座付き作家による一本で構成する85分。15日まで空洞。

好意を寄せている男を飲みに誘い終電がなくなって自分の家に誘うことに成功した女。男はまずいと思いながらも下心はさらさらないが、女はもうどうにかしたくて仕方がなくて「女の挫折から再生まで」(作・演出/名嘉友美)
裸で縛られている男のまわりで姉妹が調理の準備を始める。山奥で暮らすこの姉妹は旅人を食らうのだという。必死で命乞いする男だが姉妹はやめる気配はない。が、静かな妹は男と同級生だったと云うが。「山奥の多部田姉妹」(作・演出/野田慈伸)
風俗店の待機部屋。中国人の女、色気過剰の女、悪役レスラーと陰口を叩かれる女がいる。中国女のうるささが我慢ならない女はだったが、女同士の職場、陰口、男の切れ目、セックス好きあれこれ。「姦ーガール・ガール・ガール」(作/山田佳奈)

「女の〜」は、下心いっぱいの女が好意を寄せた男を家に招いてのあれこれ。前半のそれぞれの感情をダダ漏れに普通の台詞のごとく発話して、同じ風景を下心いっぱいの女と、そこから逃れようとする男の視点のずれを自然にみせていておもしろい。 何をいっても自分が選ばれなかったといい自尊心が傷つけられたと泣いている女が何をいっても言葉を理解できずに自分が魅力的じゃないというところに着地するという交わらない会話を延々繰り返す面倒な感じがちょっとすごい。手を繋いで寝てほしいという女の頼みすら、嫌いではないけれど、手を握ったらもうなるようになってしまうと諭す男の正直さも説得力があります。
役名が役者名にしてほんとうにそういう人かもしれないと思わせるのは作家の一つの得意なパターンで、それを外部の作演に持ってくるのは巧い。女を演じた小野寺ずるも「キチガイ役ばかり」という台詞もきっとこの劇団を見続けている観客にリーチすると思うのですが、今作の中では可愛らしい女の子に造形されて愛おしい。男を演じた細谷貴宏は理性的である男という説得力、しっかり。

「山奥〜」は半裸の男にケチャップやマヨネーズヌルヌル、泣き叫ぶ情けない男というバラエティ番組的なインパクトの強さと、好きだという想いを抱く純情な女がそれでも食べるしかない性(さが)という悲劇が物語の骨格。痩せた男とぽっちゃりした女の対比でもあります。正直にいえば、恋する女の子なのか、もうちょっと大人か恋心かのどちらかに振り切ったほうが楽しい気はするし、ヌルヌルのあれこれが少々長く感じたりもします。姉を演じた梨木智香はどこまでも清々しく梨木智香な造形がこの異常な状況でも嬉々として変わらないというのが逆にすごい。観ているだけで嬉しくなってしまいます。妹を演じた日高ボブ美は純情さの造形、劇団での普段のポジションがどうかはわからないけれど、見た目には純情が素の雰囲気に見えるのでそういう意味ではインパクトという点で損をしている感じもします。男を演じた猪股和磨はやや舌足らずの情けない男という役だけれど、腹筋がやけに格好良かったりして、やけにそこに目がいってしまうアタシもどうなんだ。

「姦〜」は「女を売る職場」のあれこれ。企画に参加した三人の女優と、普段は出演もしている作演を兼ねる主宰のホンでの一本。女優たちの特性で描いたのか、女優たちの劇団での立ち位置を描いたのか、あるいはこういう女居るよねぇ、ということなのか真意が今一つ判らないけれど、それぞれの女優のショーケースのようで楽しい。中国女とか、いらいらしてる女とか、大人っぽい色気だけれど小狡い女という造形は確かに女優の雰囲気にあっているのだけれど、少々ステロタイプではあって、顔見せ以上にはならないのが、惜しいといえば惜しい。

|

« 【芝居】「醜い男」冨士山アネット | トップページ | 【芝居】「ヒヨコマメスープの味」もじゃもじゃ頭とへらへら眼鏡 »

演劇・芝居」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 【芝居】「姦〜よこしま〜」ロ字ック:

« 【芝居】「醜い男」冨士山アネット | トップページ | 【芝居】「ヒヨコマメスープの味」もじゃもじゃ頭とへらへら眼鏡 »