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2014.07.06

【芝居】「ツヤマジケン」日本のラジオ

2014.7.3 20:00 [CoRich]

平日20時開演が嬉しい100分。6日まで王子小劇場。

山奥の公共施設に合宿にやってきた女子高の演劇部。顧問はほとんどやる気がない。携帯の電波もつながらないような場所。メンバーの一人が到着していない。バスには乗っていたかも怪しい。施設の中にある少し広い場所の物陰には、ライフルと日本刀を持った男が隠れている。

百合、というよりは女子校特有の好意という感情のすれ違い。好意と愛情がないまぜというか分化してない感情が同じ学校の女子に向かったり、他校の男子高校生に向かったり、教師に向かったり。3年という時間の中での成長の度合いがそれぞれ違っていて、それがすれ違いを生んだり、悪意に転化したり、というパワーゲームというかバランスが緻密でおもしろいのです。

じっさいのところ、むちゃくちゃに広げた風呂敷をなんとかすっと畳むために大量殺人の事件をモチーフにしたような感じではあるのですが、実際のところ、ライフルで殺したということ、男がそれらしいことを云う(が、それは今作の物語の主軸にはいささかも関わらない)以外は特に津山事件である必要もないわけで、それは歴史というか事件というかかかわった人々への敬意というものが余りに足りないのではないか、という気がしないでもありません。そんなことをしなくたって、女子高生たちの群像劇として十分におもしろいよなぁと思える一本なのです。

吉岡そんれい 演じる教師が本当に腹立たしいぐらいの造型、凄い。背乃じゅん演じる副部長の、回すために必死というすがたはリアリティがあって、部長を演じた福満瑠美は美しく、しかし顧問にあれやこれやとかの脆さもいい。同じ学年を演じた坂本鈴は、人の面倒を見たということが自分を支えるけれど、みんな自分を抜いていく、おどおどした感じが痛々しく見える、ということは巧い。元気、とクレジットされつつも実は企む女を演じたレベッカもまた憎々しく見えちゃう造型。
物語のキーとなる二人、最初にみつけた女を演じた西山愛の不思議ちゃんだけれど鋭く冷静、というのもいいし、ラストシーンがやけにカッコイイ。それに懐いた1年生を演じた三澤さきは後輩キャラだけれど、一人の女性が絶命するまでを丁寧に描くというのは厳しい役どころだけれど、解像度高く、しっかり。

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