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2014.04.19

【芝居】「神奈川県庁本庁舎大会議場短編演劇集」もじゃもじゃ頭とへらへら眼鏡プロデュース

2014.4.13 12:00 [CoRich]

神奈川県庁舎の公開に合わせて、元の本会議場(現在の大会議場)の演劇企画。県立青少年センターのマグカル(マグネットカルチャー)の一環。日曜昼の回は県知事を交えたトークショー付き。トークショーを除いて135分(各団体30分)。13日まで。。

「おっととったかとんぼ」(歌)、 鉛筆はボールペンに憧れ、消しゴムは消しカスの汚い先輩が面倒臭くて、のりはお道具箱から筆箱への移籍を夢見ている「文房具の気持ち」、 河でおぼれているところを河童に助けられた少女は乙姫の力で河で暮らすようになるが、汚染の進んだ河の怖さを感じた少女は人間に戻るといい「河童の太郎」、 ダンス「ちっぽけな勇気」(以上、あつぎ舞台アカデミー「ドリーム・ドリーム・ドリーム 出張版」)
土砂降りの雨で雨宿りのために屋敷に入った男女。この屋敷には吸血鬼が居るという噂があるが、なかなかだれが吸血鬼なのか正体を表さない。「吸血ディベート」(たすいち)
男子校。虫眼鏡は勉強、糸電話には彼女が居て、宇宙人はなかなか馴染めない。自転車は自分が何者かわからないし、小学校の同級生だった女子に久しぶりにあってちょっとトキメいたりもしている。「男子校にはイジメが少ない? Short Version」(趣向)
神奈川県庁舎のデザインコンペで入賞を果たした男。その屋根の突端部、実現はしなかったが元々は観音様を思わせる造形が施されているデザインだった。そのエピソードには若き日の彼の恋があって「黎明の少年」(もじゃもじゃ頭とへらへら眼鏡)

「ドリーム〜」は、厚木の雄、扉座の指揮・演出の一本。大勢の子供たちの出演で、迫力のあるダンスを軸にして、子供たちが思いついた物語の短編の芝居を交えていきます。ダンスは確かにちょっとみものなパワーがあって、それを大人数で統制がとられて、というのはそれだけで嬉しくなっちゃう感覚もわかります。正直にいえばアタシが期待していた小劇場的な芝居、というものとはちょっと違ったわけですが、確かにこれもどこかにはある演劇の形態の一本ではあるわけで、ショーケース公演という意味ではアリだし、行政が関わるイベントとしては小劇場ばかりというよりは、むしろ入ってる方が健全ともいえるかもしれません。

「吸血〜」は古い屋敷の密室にこの場所を見立てます。ディベートというよりはややホラーな感じで笑わせてという体裁。恋心抱くちょっとバカっぽい造型の女子、その相手、隅に座る少女と彼女に迫るロリコンな男、せむしな姿勢の探偵っぽい女、あとから来る男、退治屋の二人、という登場人物。吸血鬼の噂から誰が吸血鬼かを探すようになる中盤のあとに、吸血鬼になってもワクチンの注射で治る、けれど日本人だから十字架もニンニクも効かないというネタで笑いをとったりして進みます。 正直に云えば、隅に座り続けている少女がただ居るだけになっているのでここが本丸だということは早々に判ってしまいますし、囲んでいる客席に対していわゆるミザンスが確保出来ないのも惜しい。

「男子校〜」は女優ばかりで男子校の風景と、そのうちの一人の幼なじみの女子という構図。 元々は高校演劇用に書いた60-70分の芝居だと云います。 男子校にはイジメが少ないというのはまことしやかに噂されている定説 のようですが、喧嘩したりはしても引きずらずに仲直り出来る感覚だったり、自殺しようとする同級生が居てもちゃんと止める感じだったり。合間に世間のイジメによる自殺の事実を羅列していきます。 終幕、大学に合格した男と幼なじみの女が出会うシーンがその全体を、女子はその6年でずいぶん変わるけれど男子は小学校卒業からびっくりするほど変わらない、とラッピングが結論、かなと思います。 女子高生(大学生)を演じた原田優理子は髪をばっさりと切ったショートカットが眩しい。恋心を抱くがあっさりフラれる幼なじみの男を演じた大川翔子は中性的な魅力できっちり。宇宙人(エイリアン)と呼ばれる同級生を演じた清水那保は得意なキャラクタの作り方で、こちらもきっちり。

「黎明の〜」は、神奈川本庁舎のデザインコンペで入選した男( pdf)を巡るものがたりを骨格に据え、恋人のキャラクタを想像力で補った作り方。自由の女神よろしく、港に入ってくる船から見えるように塔の上に観音を置いた、というのはおそらく創作でしょうが、説得力があります。横浜生まれとしては、キング(県庁舎)、クイーン(税関)、ジャック(開港記念会館)のいわゆる横浜三塔(wikipediaの物語の一端を重ね合わせて嬉しい感じ。 行政が入って建物を使ったイベント、という意味では、この場所に対する敬意で物語を作るのは巧い作戦で、この場所でその演劇をすることの意味、ということを印象づけます。

終演後のトークショーは作家たちと、県知事、青少年センターの担当という構成。 この場所を使うことになった経緯だったり県知事の感想だったり、あるいは「マグカル構想」の話だったり。ハコモノよりはソフトを作ることが重要だということには同意するけれど、他県から観客を呼べるものを作る、という意味ではこのラインナップでいいのか、という疑問がなくはありません。この場所を使わせて貰ったという敬意は重要だしここに入れて嬉しいとアタシだって思うけれど、じゃあ県知事を持ちあげて、その場で何かを云わせてよっしゃ、ということを公開の場でする必要があるのか、ということは感じたりもします。(それは楽屋でやるべき話じゃないか、と思います。)

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