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2013.12.28

【芝居】「治天ノ君」チョコレートケーキ

2013.12.22 13:00 [CoRich]

22日まで駅前劇場。140分。アタシは劇団初見です。

皇太子として節子と結婚した嘉仁、側室の子で身体は弱く勉学に秀でているともいえなかったうえ、父・明治天皇の考える天皇は神の如く君臨せねばならないという考え方にも沿わず、臣民に近しく親しみやすくあった。大正天皇となり、激務の中で体調をくずし、やがて公務を果たすことも難しくなり、息子・裕仁の摂政を受け入れざるを得なくなる。それは同時に、明治天皇と同じ絶対である天皇のありかた、という時代に戻ることでもあった。

皇后節子を語り部として、夫・大正天皇(wikipedia)、父・明治天皇、息子昭和天皇の三世代での天皇のありかたを語る物語。フィクション、とは断りつつもわりとWikipediaに描かれるような人となり、といったものを色濃く描き出します。江戸から明治時代という大きな変化の中で決してぶれることなくそこに存在しつづけ、「神棚」でありつづけることが求められた明治、あまりの急激な変化の中で国としての疲労が限界に達して少し歩みをゆるめたという大正、その後の時代で世界的なおおきなうねりの中に巻き込まれていくために再び力強いことが求められた昭和の時代。三つの時代の背景を描きながら、その中でそれぞれの天皇像が語られていきます。

劇団名に似合わず重厚な物語を紡ぐという評判は耳にしているものの、なぜかいつも激戦区な週末に重なってしまい今回劇団初見。政治とか天皇のありかたといったやや歯ごたえのある題材ではあるけれど、史実の隙間の面白さが存分に。史実といってもそれほどの知識が要求されるでなく、むしろ「人間」(この物語でこの言葉の意味は重い)の強い思いが物語をドライブすることによって牽引される物語の強さとでも云いましょうか。国を治めるものではあるけれど、一方では一人の人間としての苦悩や生き方を骨太に描いた物語は力強く重厚で、しかもいたずらに複雑にはならない見やすさも兼ね備えています。

語っている題材もあってか、全体として重厚さが勝る造形の役者たち。小劇場というフィールドで見慣れた役者が多数出ていますが、プロトコルというか形式や威厳といったものを前面に押している雰囲気は珍しい。たとえば、現人神たる明治天皇を演じた谷仲恵輔は普段はむしろ人間くささこそ持ち味の役者なのですが、この威厳のすごさ。普段は軽さこそ身の上という雰囲気の役が多い青木柳葉魚も(大正天皇への心酔はあるにせよ)全体としてはこの時代の重厚さをきちんと。
松本紀保は格が一段違うという印象だけれど、三つの世代を見続けているという役にはそれが座組のバランスの中ではプラスに作用した印象。冷たくあり続ける政治家を演じた金成均も実に雰囲気がよくて、印象的。

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