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2013.09.04

【芝居】「『MOJITO』『想像』」BARHOPPER × MU

2013.8.31 14:00 [CoRich]

カメラマン・石澤知絵子のユニットBARHOPPERによる米内山陽子再演(私は初見)作と、MU・ハセガワアユムによる初の朗読劇は男女二人構成の役者を日替わりで。50分+休憩10分+40分。2日まで。秋にクローズが決定した乃木坂・COREDO。

女が男に手紙を書く。ずいぶん前に互いに恋人が居るのにたった一回、江ノ島でデートした男女、女は惹かれていたのに、連絡を絶っていた男。メールも届かないから、ちょっと弱っているせいか、男に手紙を書いた。果たして男からメールの返信が来る。女は道ならない恋ばかりの末に引っ越すしかなくなっている。その男はバリバリの営業職で結婚を考えている恋人も居る。男は昔のことが引っかかってもいて、心配して会って話そうと云うが、女は心惹かれているのに、頑として聞き入れない。「MOJITO」(脚本・米内山陽子 出演・古屋敷悠、宮田智香)
双子の姉弟。実家で暮らす弟に電話をかける姉。結婚相手がエロ漫画家だというので父親から勘当されている姉だが、父親が怪我をしたと聞いて心配で電話した。離れていても双子、心がどこかつながっている気持ちはある。二人には秘密があって、墓まで持って行く約束をしている。「想像」(脚本・ハセガワアユム 出演・小沢道成、渡辺まの)

指定席ならMOJITOが付いていたりするのも洒落ています。

「MOJITO」は 昔こころ惹かれたのに成就しなかった男女が久しぶりに心を通わせる物語。スキだけでは押し切れるほどに若いわけでもなく、女は弱っていてそれゆえに自分が一番輝いていたあのときの彼にむけて、もしかしたら届くかもしれないという一縷の望みの手紙。アテにはしていなかったかれど、果たして久し振りにメールのやりとりをするようになって。男は仕事に燃え恋人も居るから、心惹かれてもあと一歩を踏み出さない女という関係は膠着状態に陥るけれど、しかし連絡を絶つわけではなく。そうこうするうちにパワーバランスが変化する終盤。高校生じゃあるまいしな、駆け引きのようなそうでもないようなメールの応酬の、静かに燃え上がるような感じが少し眩しく、懐かしくてとろんと溶けるように甘酸っぱい。これほどに甘い物語を書くとは思わない作家だから、ちょっとびっくりする新しい魅力。

メールの応酬が単に往復するばかりじゃなくて、返事がなくて一方的に送り続ける瞬間があったり、再会に向けてどんどん短文に短いスパンだったりと、メールの行き来にリズムがあって、盛り上がる気持ちだったり、冷静に抑えなきゃという気持ちだったりを描き出します。

「想像」は 姉弟の秘密だったり、あるいはエロ漫画家の夫など、ガチにハセガワアユム節がめいっぱい。勘当された姉の八王子と実家の西葛西という、会うにはかなり億劫な距離感もいい。姉の旦那が描くエロ漫画に姉がそうしてるかも、という恥ずかしさというかいやな感じという序盤の台詞が、終盤に至り、ふつうの意味ではなくて、それが弟には想像できてしまうのだ、と隠し味のように効いてきます。 夫が義父を心配して勘当されているのに見舞いに訪れるシーンは弟の台詞だけで語られるけれど、その滑稽な必死さは目に浮かぶようで、どこかペーソスを感じさせてちょっといい。

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