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2013.02.18

【芝居】「タイトル、拒絶」ロ字ック

2013.2.16 19:30 [CoRich]

ラジオに出てみたりと、露出が多くなってきたロ字ックの新作。17日までサンモールスタジオ。115分。

デリヘル嬢が待機し電話受付をする店舗。ナンバーワンはずっと笑いながら、しかし自分のものと金への執着は尋常ではなく。噂話に明け暮れ客からの文句ばかりな女、店員の男に袖にされまくりながら惹かれてしまう女、あるいは静かにノートに文字を書いている女。店長に信頼されている男は、ナンバーワンに手をだしまくり。新たなナンバーワンも、あるいは体験入店はあきらかに頭おかしい感じで。

若い女の風俗の現場、(店舗に客が来ない)デリヘルゆえに身内の噂話やあれこれという場所。全体に物語も音楽も騒がしい感じ。「女」を商売にするという舞台の置き方は、美醜や性格など、あからさまにその順位を思い知るという意味で女性の作家ゆえの容赦ない感じ。役者のメンタルにも明らかに負荷がかかるだろうに、それでも押し切って物語りたいものがあった、という思いゆえか。

正直に云うと、ここまで女に順位付けされている場所において、デリヘル嬢でない女の存在があまりに安全地帯に過ぎる感じはあります。たしかにそれは作家(山田佳奈)自身が演じ、作家の視点だし、確かにアタシにとっての「ふつうの」感覚に近い視座を提供してはくれるのだけれど、せめて雇われているという物語上の必然(何でもやるって云ったんで、ではあまりに弱い)があれば、と思うのです。店員を演じた熊野善啓との二人でじゃれたり想いがあったりというあたりはちょっといい。

ナンバーワンを演じた堤千穂は声が実に印象的。ずっと笑い続けている女というのは序盤こそ違和感だけれど、この舞台においては見続けていると、気持ちがもっていかれてしまう、という「おんな学校(西原理恵子だったか)」の主席という風情の説得力が圧巻。後からナンバーワンになる女を演じた長井短の圧巻のスタイルに目を奪われながらも、焦点の定まらないままの視線というのは怖さすら。ブスで頭がおかしいという支離滅裂すぎる女を演じた東ゆうこは、役として演じるにしてもメンタルとして大丈夫かしらと思うけれど、たしかに居そうではある感じ。

舞台を中心にぐるぐると歩き、走れるようになっている舞台、それでも歩みを止められない、生き続けなければいけない女たち、あるいは男たちの姿ということなのか、と思いつつ。土曜夜でもかなりの満員。にしても、下手端の通路席に座らされてしまうと柱が邪魔で見えないところがあるのはちょっと気になります。見切れとしてチケット売ったのかしらん、とか。アタシは辛うじてその右隣なので、なんとかなりましたが。

名前に添えて、キャラクタを一つの単語でというキャスト表の工夫がちょっといい。これによれば笑顔のデリヘル嬢はウサギ、安全地帯な女はタヌキ(なるほど自覚してる、たいしたものです)など、作家の頭の中を少しのぞくようで楽しい。

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