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2012.06.17

速報「うっちゃり」ユニットニット

2012.6.16 14:00 [CoRich]

松本の女性三人の劇団、3回目にして最終公演と銘打つ100分。平日遅めや、土曜21時開演という配慮が嬉しい。17日まで信濃ギャラリー。

大晦日の深夜、ネットカフェ。ライブで気持ちよく年越しするはずだった女はライブ後、店長に呼び出されてシフトに入っている。店で偶然に出会ったライブの客たち。一人は小説家とは名乗るものの本職とは思えないのに、本人は至って自信満々。もう一人は挙動不審な女だった。いつしか小説家の書いた話を無理矢理読まされることになる
おじいさんとおばあさんと地蔵の話、仕事がみつからないネズミとパートなネズミと、育てられた子猫の話、若い男が次々と亡くなる怪現象が起こり、中央に集められたあと、残された妻と、妊娠した浮気相手と、実姉が出会う話と。


ヲタ芸的なライブの客たちで一気に芝居へ。
一番外側にいい歳した現実の女たち。主婦だけれども万引き癖が抜けず夫にばれて逃げてきた女、素人の書いた話つまらない話なのに親が金持ちで周りが褒めそやし本人もやたらに自信満々な女、実は小説は書いたことがあって佳作までは行ってるけれどどうにも自信がもてない女。
その内側に小説家の書いた話を三つ、という構造になっています。昔話風はなんか話らしいもの、ぐらいのジャブ、二つ目の猫と鼠の話はミュージカル風に見せかけて、生活していくって大変ということと、生まれもってしまった業ということをシンプルに。三つ目の残された女たちの話は、どこかケラ風(2001年/すべての犬は天国へ行く)で、女であること、男に振り回されても、居なくなってしまうとそれはたいそう寂しく。原因は謎のまま男たちが死に、あるいは連れ去られという寂寥感のなかでも、愛した男にまつわって喧嘩していくという感じ。もういちど外側の物語に戻るというのは構造として綺麗にまとめます。芝居の中にもう一層の物語を内包するといえば後藤ひろひとも思い出します。

解散公演ゆえか、100分という時間にさまざまをぎゅうぎゅうに押し込んでいるという感はあります。最後の一本と外側の構造だけでも成立させられそうではありますが、この盛りだくさん感もまた楽しかったりするのです。

幸せになれない女三人の話、という芝居が大好きなアタシですが、彼女たちは、自分の幸せということに対して貪欲でもないし、あからさまに不幸せということを嘆くでもありません。 東京で見慣れた芝居の感覚からすると、深夜のネットカフェでライブ帰りの女たちが再会し、というシチュエーションは少々無理がある感じはありますが、前回★の代行というのと同様に、この街でこういうシチュエーションがあり得る場所、という意味ではこれ以外にはない(ほかは、なぜかそこら中にあるTSUTAYAぐらいだ)ぐらいに、ここで生活している彼女たちが描いた地に足がついた描き方が説得力を生みます。

松本での芝居の公演は市民芸術館という公共の劇場(まつもと歌舞伎や、サイトウキネンでも上演がある)と、ピカデリーホール+信濃ギャラリーという民間の劇場が二つの核になっています。市民芸術館の充実と広々としたロビーも嬉しいけれど、民間の劇場での小劇場が好きなアタシとしては、ピカデリーと信濃ギャラリーの中間のキャパの劇場があればな、と思うのです。彼女たちにとっては、ピカデリーは大きすぎるし、信濃は小さすぎる、もっとも、公演の予定が詰まっていないのでtwitterで見ていると、セットなどほとんどないのに、劇場(こや)入りが一週間弱前というのは恵まれています。いっそ、ピカデリーホールのロビーという広さがちょうどいい気もするけれど、こういう広さでそこそこにタッパがある場所って無いし、なぁ。

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